須藤早貴容疑者 母も知らなかったドン・ファンとの結婚…

 野崎幸助さんの自宅を訪れた須藤早貴容疑者=2018年6月6日、和歌山県田辺市
 野崎幸助さんの自宅を訪れた須藤早貴容疑者=2018年6月6日、和歌山県田辺市 (顔写真は高校の卒業アルバムから)
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 和歌山県田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた酒類販売会社の元社長、野崎幸助さん=当時(77)=に2018年、致死量の覚醒剤を口から摂取させて殺害したとして、県警は28日、殺人と覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで、妻だった須藤早貴容疑者(25)を逮捕した。自身の女性関係や半生を著した本を出版し、欧州の伝説のプレーボーイになぞらえられた野崎さんの不審死から約3年。県警は、50歳以上離れ、死亡の約3カ月前に結婚したばかりだった須藤容疑者が関与していたとみて捜査を続けていた。急転直下の元妻逮捕で事件は重大局面を迎えた。

 須藤早貴容疑者は札幌市の美容専門学校を2016年に卒業して上京。同市に住む家族には「不動産投資をしている友達の仕事を手伝っている」と話し、野崎さんと結婚したことは当初伝えていなかった。

 容疑者の母親によると、17年春ごろには東京・新宿で1人暮らしをしており、月1回の頻度で帰省。動物好きで、実家の飼い猫に会うのを楽しみにしていた。母親が18年4月に住民票を取得した際、容疑者の名前がなかったため尋ねると「東京に移した」と答えていた。母親は「親も知らない結婚なんて…」と涙を浮かべた。

 高校を卒業した容疑者は、専門学校で美容師の資格を取得。同じ専門学校に通っていた女性は「授業は休みがちだったが、練習しなくてもできる天才肌だった」と振り返る。卒業後は留学すると話していた。

 別の知人女性によると、シンガポールやインドネシア・バリ島など、海外旅行の様子を頻繁に会員制交流サイト(SNS)に投稿していた。帰省した容疑者は周囲に、株でもうけていると説明していたという。

 高校の同級生は「仕事の話を聞いても隠すような感じだった。着ている服の値段が高いことを自慢して、お金を持っていると話していた」と語った。

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