元ＮＭＢ４８のタレント・三田麻央（２５）が先月２０日、ライトノベル「夢にみるのは、きみの夢」で小説家デビューした。２０１９年にグループを卒業後、２年を費やして理想のラノベを書き上げた。子供の頃からアニメや漫画オタクで、声優やイラストレーターなど多方面で活躍する三田が、今度は小説家として「妄想を詰め込みました」という自信作を完成させた。

　ＡＫＢグループ随一のオタクだった三田が、今度はライトノベルに挑んだ。２年間の執筆を終え、手に入れた小説家の肩書。「重いですよね、小説家となると。ズシッと来るんですよ」と笑った。

　契機は所属事務所からの提案だった。子供の頃から培った妄想癖を生かすためにいろいろと考えてくれたといい「好きなように書いていいということだったので、妄想を詰め込みました」と、好きなものを詰め込んだ自信作が完成した。

　本作は恋愛経験ゼロのオタクＯＬが、ＡＩロボットを自称する怪しい男子をかくまうために同居するというラブストーリー。ヒロインは「自分にめっちゃ寄せてます、ザ・私です。男の子が主人公にやってることは私がされたいこと。もだえながら書いてました」と告白した。

　「ライトな読書好き」だという三田だが、執筆は初挑戦。起承転結やプロットの作り方など、小説を書くための基本を知るところからスタートした。ＡＩ分野を題材に選んだため、研究書を何冊も買い込んで勉強するなど熱心に取り組んだ。

　開始当初は「ホントに地獄だった」と振り返る。「書きたいものが書けなくて、編集の方が一から教えてくださったのに、いざ書き始めると手が進まない。手が進まないけど時間はたっていくからフラストレーションがたまって」と語った。

　書き方が見えてきたという中盤以降は、書く楽しみを感じるように。本当に書きたかったのは終盤で「終盤になるにつれて書きたいことが書けているので、楽しかったです。書くのめちゃくちゃ早くなりました」と、小説家への階段を少しずつ上っていった。

　苦労して書いた小説の完成本を読んだ時は感無量だったといい、「やりたい妄想を書いてるから、めちゃくちゃ面白くて。読んでる時はめちゃくちゃ自分を褒めてました。天才！誰が書いたの？私！みたいな」と自画自賛できるほど、納得する作品に仕上がった。

　続編の予定はなく、１冊で完結。「この話を別の媒体に持って行きたい。朗読劇だったり漫画だったり、違う形でこの作品が世に出ることがあればいいなと思います」と、メディアミックスプランを描いている。

　小説家の道は「せっかくここまで文章のことを勉強させてもらいましたし、書くことが楽しいと自分の中で変わってきたので、また次、書けるのであれば書かせていただきたい」と、今後も突き進むつもりだ。

　小説家だけでなく、声優、イラストレーターなどクリエーティブに活動しており、創作活動は最初から最後まで１００％が楽しいと言い切る。「３０代後半とかになってきた時に、創作活動でお仕事できる場があるといいな。自分が創作したものでお金をもらえたら最高だな」と、未来像を描いていた。

　◆三田麻央（みた・まお）１９９５年９月９日生まれ、大阪府出身。２０１１年、ＮＭＢ４８・２期生として加入。１９年卒業。声優やイラストレーターとしても活躍しており、２０年のアニメ「あわじしまの七福神」では主人公カイ役を務めた。アニメ好きの原点は「銀魂」。