日本最下位 コロナワクチン接種回数、OECD加盟37カ国で
10日時点の英オックスフォード大などの調査によると、新型コロナウイルスワクチンの接種回数は世界全体で約13億回に上る。日本は経済協力開発機構(OECD)加盟37カ国のうち100人当たりの接種回数が3・32回と最下位。他に1桁にとどまるのは韓国と感染拡大の封じ込めに成功しているニュージーランドだけで、マスクなしの外出に戻りつつある一部欧米諸国との差は顕著だ。
投与回数が計約2億6千万回に上り、人口の約34%が必要な回数を終えた米国では、接種完了から2週間経過すれば屋外でのマスク着用は原則として不要となり、国内旅行時の検査や自主隔離もいらなくなった。
コロナ禍で大打撃を受けたニューヨーク市のデブラシオ市長は経済活動を7月以降全面再開させると表明。ただ米国では1日当たりの投与回数が減少傾向にあり、バイデン大統領が国民へ早期の接種を訴えている。
イスラエルは人口の60%弱が接種を完了。最近の1日当たりの新規感染者は100人を下回る。人口の約4分の1が接種を完了した英国は6月下旬にも規制を全面解除する計画。欧州の大陸諸国も接種が進展し始めた。
中国では自国製ワクチンの投与回数が3億回を超え、今秋の東京モーターショーを中止した日本を尻目に、4月には上海国際モーターショーを開催。今月1~5日の大型連休期間中に延べ2億3千万人が国内旅行した。
日本では高齢者約3600万人に対し総接種回数34万1147回(9日発表)。医療従事者約480万人に対し同409万5178回(7日発表)にとどまっている。政府は10日の週からワクチン供給量を大幅に増やし、7月末の高齢者接種完了を目指すが、増えた供給量に対応できる接種の担い手の確保は難航する恐れがある。