高橋洋一内閣参与が辞任 「さざ波」「笑笑」「屁」ツイート、首相の任命責任は
首相官邸は24日、高橋洋一内閣官房参与の退職を発表した。発令は同日付。高橋氏は国内の新型コロナウイルス感染状況をインドや欧米各国と比較して「日本はこの程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑」などとツイートし、批判を浴びていた。
菅義偉首相は、高橋氏から「申し訳ない」と謝罪があり、辞任の申し出があったと視察先で記者団に明らかにした。加藤勝信官房長官は記者会見で、更迭ではないとした上で「批判を踏まえて、本人が最終的に判断した」と説明した。
高橋氏は9日に「さざ波」、「笑笑」発言を投稿。内閣参与は首相に政策的助言を行う非常勤の国家公務員で、当初は「個人の主張」とかわしていた菅首相も、13日になって「非常に残念だ」と記者団に述べた。
高橋氏は21日にも、緊急事態宣言の行動制限は欧米に比べて「『屁(へ)みたいな』もの」とツイートし、またもや批判を浴びた。高橋氏は24日のツイートで「不適切表現」と認め、「各位にお詫びします」と陳謝した。
立憲民主党の枝野幸男代表は24日の党会合で「とんでもない人にアドバイザーになってもらっていた菅首相の見識が問われる」、共産党の小池晃書記局長も会見で「首相には任命責任があり、なぜ参与に据えたのか国民に語るべきだ」と菅首相の責任を指摘した。
高橋氏は財務省時代、小泉純一郎内閣で竹中平蔵総務相の補佐官、第1次安倍晋三内閣で内閣参事官として経済政策のブレーンに。昨年10月、内閣官房参与に任命された。