森高千里 「渡良瀬橋」の舞台、栃木・足利市で閉館予定の市民会館からツアースタート
歌手・森高千里(52)が25日、栃木・足利市民会館で、コロナ禍で延期されていたコンサートツアー「『この街』TOUR 2020-22」をスタートさせた。足利市は代表曲「渡良瀬橋」の舞台で、思い出深い同館は老朽化のため6月で閉館。この日限定で「さようなら 足利市民会館ありがとう 五十五年」のサブタイトルを冠し、特別な思いを込めて歌声を届けた。
森高は「なくなってしまうのは本当に寂しい」と惜しんだ。トレードマークの膝上15センチのミニスカート姿で熱いパフォーマンスを披露。「渡良瀬橋」はひときわ染み渡った。
「会館に入る前に渡良瀬橋を渡って来ました」と森高。間奏ではおなじみのリコーダー演奏で感傷に浸り、「足利は第二のふるさと。皆さんにとっても特別な場所であってほしいな」と呼びかけた。
同館の公演は3度目。93年6月15日、「渡良瀬橋」をご当地で初披露すると地元ファンは大合唱で歓迎し、温かさに泣き崩れた。結婚、出産後の復帰公演もここで、13年3月に約15年ぶりのコンサートを敢行。曲中に登場する「八雲神社」が12年末に焼失したことに心を痛め、再興チャリティーもかねた。
この日、ガイドラインに従い観客は収容人数の半数以下の700人。公演も90分に制限したが、昼夜2公演で計1400人を前に「私がオバさんになっても」など15曲ずつ計30曲を熱唱した。
この日はデビュー記念日でもあり、「そんな日にステージに立っていられるのも感謝です」と述べ、「初日を足利で迎えられたこと、忘れられないコンサートになりました。また足利でコンサートをやりたい」と誓った。