野村萬斎 東京五輪に複雑心境「関わった部分ゼロでない」昨年に演出統括外れ 組織委は内紛
狂言師・野村萬斎が27日、都内で「能楽協会・日本能楽会」開催発表会見に出席した。自身が昨年まで開会式の総合演出チームの統括を務め、今年に入り開催に反発が起こっている東京五輪・パラリンピックについての質問に、「開催の有無のコメントは私が申し上げる立場ではないので控えたい」と述べた。
大会組織委は新型コロナウイルスの感染拡大による大会簡素化を理由に、昨年12月、萬斎にかわり、佐々木宏氏を統括に据えた。佐々木氏は4月に問題発言などを告発されて辞任し、組織委の内紛が露呈した。
萬斎は五輪について「いろいろ私も個人的に言えばやはり自分が関わってきた部分が0ではない。それが残ったまま式典も開催される部分もあるので、いい形で開催されるなら、いい式典になればいいなと思う」と希望を語った。
「本当に式典だけで言えば、関わってきた方が大勢いるので、その方たちの努力が報われるのも内輪的には当然、あればいいなということはある」としたうえで、「ただ、いろんなことがある。アスリートも含めて努力している方もたくさんいるので。緊急事態というものに対してはそんなことも言ってられないということもあるでしょうね」と語った。