野村萬斎「開催の有無のコメントは申し上げる立場ではない」 昨年末、演出統括外れる

フォトセッションで穏やかな笑顔を浮かべる野村萬斎氏=東京都内
東京五輪についての思いを口にした野村萬斎氏=東京都内
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 狂言師の野村萬斎(55)が27日、都内で「東京オリンピック・パラリンピック能楽祭~喜びを明日へ~」の開催発表会見に出席した。同公演は五輪期間中に7月27~29日、8月2、3日の5日間、パラリンピック期間中の8月27日、9月の2日間の計7日間、東京都内の国立能楽堂で開催する。

 当初、東京大会の開会式、閉会式の演出の統括を託されていた萬斎は、五輪への思いについて問われると「私も個人的に言えばやはり自分が関わってきた部分が0(ゼロ)ではない。それが残ったまま式典も開催される部分もあるので、いい形で開催されるなら、いい式典になればいいなと思う」と話した。

 東京都は緊急事態宣言中で、五輪開催については世論の逆風が吹いている現状もある。「開催の有無のコメントは私が申し上げる立場ではないので控えたい」と前置きしたうえで「式典だけで言えば、関わってきた方が大勢いるので、その方たちの努力が報われるのも内輪的には当然、あればいいなということはあるが、ただ、いろんなことがある」と複雑な胸中を口にしていた。

 萬斎は東京大会の開会式、閉会式の演出を統括として託されていたが、昨年12月下旬、大会組織委は新型コロナウイルスの感染拡大による式典の簡素化を理由に、これまでの演出プランを白紙に。萬斎、歌手の椎名林檎、振付家のMIKIKOら7人による演出チームを解散した。会見で萬斎は「苦渋の決断」と無念さをにじませていた。

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