吉村大阪府知事、1日にも「時短命令」 休業・時短要請応じない店舗へ

 大阪府の吉村洋文知事(45)が31日、大阪市の府庁で囲み取材に応じ、緊急事態宣言に伴う休業や時短要請に応じない飲食店、16店舗について「時短命令を行います」と明らかにした。特措法45条に基づき、6月1日にも実施する。府では、この日新たに98人の新型コロナウイルス感染を確認。減少傾向にはあるが「第5波は十分にあり得る」と警戒した。緊急事態宣言は1日から20日までの延長期間に入る。

 大阪府はこの日、98人の新型コロナウイルス感染者を確認したと発表した。100人を下回ったのは3月22日以来、実に70日ぶりのことだ。最大1260人からの着実な減少傾向に、吉村知事も「大きなヤマは抑えられつつある」と説明。ただ、問題は山積みだ。

 緊急事態宣言下の府では飲食店など事業者に、休業や午後8時までの営業時間短縮を要請してきた。それでも調査の結果、要請に応じない16店舗を確認。追加の調査で「まだ増える。40店くらい」と続けた。対象店については「時短命令を行います。改正された特措法において、適切に執行していく」とした。

 命令した際は店名公表もできるが、客が集まる恐れがあるとして行わない方針。従わなければ行政罰として、30万円以下の過料を科す手続きが取られる。同知事は「裁判所に手続きをする。速やかに行う」と述べ、「これだけ感染拡大する、新たなウイルスを目の当たりにした。従来株と発想を変えないといけない。最後の手段」と厳しい口調で話した。

 「感染拡大する時は2週間で1000人を超える。それは大阪で体感した事実です。いつ起きてもおかしくない。再拡大を防ぐ、リバウンドを防ぐことが非常に重要になる」

 緊急事態宣言は6月20日まで再延長されたが、「予断の許さない状況。第5波は十分にあり得ると思う」と警戒心を強める。「いま再拡大すれば大阪では対応できない。残念ながら、それが大阪の現実です」。医療体制の整備を進め、感染防止の徹底を呼び掛けた。

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