松たか子の娘役・豊嶋花「大豆田とわ子と三人の元夫」で存在感 ドラマのスパイスに
女優の松たか子(43)が主演するフジテレビ系ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」(火曜、後9・00)が佳境を迎えている。演技巧者たちの競演と脚本家・坂元裕二氏(54)の予測不可能なストーリーで話題を呼ぶ中、存在感を発揮しているのが主人公の娘・大豆田唄役を好演する豊嶋花(14)だ。50本以上の作品に出演し、NHK連続テレビ小説や大河ドラマも経験している天才子役が伸びやかに成長。独自のポジションを築く、若き実力派を直撃した。
3度の離婚をした大豆田とわ子と、離婚後も仲の良い元夫たちとの悲喜こもごもを、緩急自在の会話劇で魅せる通称・まめ夫。あけすけで大人びた性格の豊嶋演じる唄が、大人たちに交じってドラマのスパイスとなっている。
「松さんは本番になると本当のお母さんなんじゃないかと思うくらい、お母さん度が増すんです。親しみやすくて、実際より年が近く感じます。同年代の人が1人もいなかったので緊張してたんですけど、めっちゃ楽しい現場です!」
セリフは豊嶋の口調に近い言い回しが採用されており、等身大の言葉が映える。脚本の情報量が多いため、セリフを早く言わないと尺に入りきらず、現場では「テンポを早く」の意識が徹底されているという。
「間を使うシーンが多いのにセリフの量も多いんです。唄は結構、難しい言葉を言うので、それでNGを出してしまったりするんですけど、みなさんが『気にしないで』という空気を出してくれる。大好きな現場です」
まだ中学生だが、キャリアは10年以上。1歳から芸能活動を始め、5歳で女優デビューしている。朝ドラ「ごちそうさん」やテレビ朝日系の帯ドラマ「トットちゃん!」で主人公の幼少期を演じるなど天才子役として名をはせ、第2の芦田愛菜と呼ばれた。
中学進学をきっかけに現在の事務所に移籍。習い事感覚だったお芝居が明確に仕事へと変わった。「グラフで言うと…」とやる気メーターを説明し「ちょっとずつ上がっていって、そこでバコーンとなりました」と笑う。出演作はすでに50本以上。「この年で言うことではないですけど、天職だと思っています」と言い切る。
「幅の広い役ができる女優さんになりたいです。小学生から言っているのは、ザ・悪役をやりたい。主人公をいじめるような役をやって、見ている人に『この子、むかつく~』って思わせたいです」
子役時代から変わらぬ笑顔と、ちょっぴり大人っぽくなった真剣な表情を交錯させながら、無限大の未来を見据えた。
◆豊嶋花(とよしま・はな)2007年3月27日生まれ。東京都出身。09年に当時1歳でNHK Eテレ「いないいないばあっ!」のレギュラーとして芸能活動を開始。12年、5歳のときに映画「外事警察 その男に騙されるな」で女優デビューし、失語症の難役を好演した。NHK大河ドラマ「八重の桜」や朝ドラ「梅ちゃん先生」「あまちゃん」「ごちそうさん」などに出演。ヒロインを演じた映画「都会のトム&ソーヤ」(7月30日公開)が待機中。特技はダンス。