大河「青天を衝け」演出・村橋氏が語る吉沢亮 「ブレないもの持っている」
日本資本主義の父・渋沢栄一(吉沢亮)を、幕末から明治を舞台に描くNHK大河ドラマ「青天を衝け」(総合、日曜、後8・00)が好調だ。初回の世帯平均視聴率が20・0%と好発進し、その後も13~16%台を推移。朝の連続テレビ小説「あさが来た」と同じ五代才助(友厚)役が話題の俳優ディーン・フジオカ(40)、悲劇の将軍・徳川家茂役の俳優・磯村勇斗(28)、演出の黒崎博氏と村橋直樹氏への取材で、その魅力に迫った。(数字はビデオリサーチ日報調べ、関東地区)
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村橋氏は吉沢に「本当にブレないものを持っていて、真ん中に来るべき役者」と太鼓判。「だんだんと大人びて見えてきているのを感じる」と栄一の成長を語る一方で、吉沢については「根っこの部分を変えないのがうまい。状況はどんどん変わっているけど、根っこは変わっていなくてすごい」と絶賛した。
担当した第16回では池田屋事件が取り上げられた。新選組副長・土方歳三役で剣道経験がある町田啓太(30)に「とにかく動きがキレイ。殺陣稽古で動いてもらった時の剣を振った姿が美しい。お顔も美しいのですが、顔を見なくても分かる美しさがあった」と拍手。「吉沢くんが『いいな』と言っていました。渋沢栄一はかっこいい見せ場がないですしね」と、吉沢のおちゃめな姿も明かした。
慶喜役の草なぎは、側近・平岡円四郎(堤真一)が雨中で最期を迎える第16回で見せた迫真の演技がSNSで話題になった。村橋氏は草なぎの芝居を引き出すために雨を降らせる演出を取ったことを説明。カメラ3台で狙ったシーンから「草なぎさんから出る芝居は1回限りのものだったり、技術的に建てていく演技じゃない部分がある。雨で覆われている中でも涙やおえつが伝わってくる。想像以上のものができた」と称賛していた。