磯村勇斗 「青天を衝け」徳川家茂役 「どんな身分の人にも寄り添える将軍できたら」
日本資本主義の父・渋沢栄一(吉沢亮)を、幕末から明治を舞台に描くNHK大河ドラマ「青天を衝け」(総合、日曜、後8・00)が好調だ。初回の世帯平均視聴率が20・0%と好発進し、その後も13~16%台を推移。朝の連続テレビ小説「あさが来た」と同じ五代才助(友厚)役が話題の俳優ディーン・フジオカ(40)、悲劇の将軍・徳川家茂役の俳優・磯村勇斗(28)、演出の黒崎博氏と村橋直樹氏への取材で、その魅力に迫った。(数字はビデオリサーチ日報調べ、関東地区)
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磯村が演じる家茂は13歳で将軍に就任し、21歳で夭折する。幕臣らにほんろうされ、将軍後見職となる徳川慶喜(草なぎ剛)に支えられながら、自らの無力さに苦悩する役だ。
磯村は「ものすごく心の豊かな人で気遣いができる。どんな身分の人にも寄り添える、そんな将軍ができたらいいなと思って演じた」と、役作りのポイントを説明する。
草なぎとの共演は「独特の緊張感があった」という。「慶喜の姿というのが、作られたものじゃなくて、そこに存在している空気感がある。すてきだなあと思いながら見ていました」と刺激を受けた。
見どころとしたのが公武合体のため結婚した皇女・和宮(深川麻衣)との関係性だ。政略結婚ながら、いちずに愛し続ける。「すごく温かな時間が流れていた印象。深川さんとの呼吸が一緒になっていく、そんな時間の流れを感じたりした」と振り返った。
朝ドラ「ひよっこ」(2017年)に続き、大河にも出演を果たした。「ドラマの中でも朝ドラ、大河というのは二大巨頭みたいな、歴史のあるもの。参加させてもらえたのは、僕の俳優人生の中でもしっかり刻まれるものになったのかな」と位置付けた。