日本資本主義の父・渋沢栄一（吉沢亮）を、幕末から明治を舞台に描くＮＨＫ大河ドラマ「青天を衝け」（総合、日曜、後８・００）が好調だ。初回の世帯平均視聴率が２０・０％と好発進し、その後も１３～１６％台を推移。朝の連続テレビ小説「あさが来た」と同じ五代才助（友厚）役が話題の俳優ディーン・フジオカ（４０）、悲劇の将軍・徳川家茂役の俳優・磯村勇斗（２８）、演出の黒崎博氏と村橋直樹氏への取材で、その魅力に迫った。（数字はビデオリサーチ日報調べ、関東地区）

　　◇　　◇

　ディーンは２０１５～１６年放送の「あさが来た」で、ヒロイン・あさ（波瑠）への思いを内に秘め、サポートする五代役で大ブレークした。「ディーン様」の愛称で親しまれ、作中で病死すると悲しむ女性ファンが続出。「五代ロス」という言葉も生まれるなど、社会現象となった。

　五代役の再演について「不思議な縁を感じてうれしかった。同じ偉人を演じさせていただくのは光栄」とする一方で、「正直、朝ドラの時の五代と、今回の大河ドラマでの五代は、同じ線上にいる人物だとは捉えていません」ときっぱり。

　「ワイルドで野性味あふれるというか。型にはまらないキャラクターとして描かれています。朝ドラの時には、このような演技はなかった」と、全く違った五代だという。

　初出演となった大河については「演技の仕事をやらせていただいている中で、大河ドラマは一度でいいから経験したい気持ちはありました」と打ち明け、「それが五代さんとの再会という形でかなったのは喜ばしい」と笑みを浮かべる。

　ドラマは今後、明治という新時代に突入する。ディーンは「近代化という同じビジョンを（渋沢と）違う環境で競い合って高め合う。それが今回の五代さんが担っている役割だと思います」と説明し、「ここからどのような展開になっていくのか、どう味付けしていくのか自分も楽しみです」と期待した。