濱口竜介監督が「偶然と想像」でベルリン国際映画祭銀熊賞
カンヌ、ヴェネツィアと並ぶ世界三大映画祭の一つ、第71回ベルリン国際映画祭の授賞式が13日(現地時間)、独ベルリンで行われ、オムニバス映画「偶然と想像」(12月公開予定)が第2席にあたる銀熊賞(審査員グランプリ)に選ばれた濱口竜介監督が出席した。受賞結果は3月に発表されていたが、コロナ禍で授賞式は6月となっていた。
「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」で知られるイタリアのジャンフランコ・ロージ監督がプレゼンターを務め、「普通なら対話や言葉が終わる地点から、この映画の対話はむしろ始まるのです。そこからが本作の真骨頂であり、あまりに深く掘り下げるので、観客は驚きと困惑の中で自問することになります。『どこまで掘り下げるんだ?』と。濱口の言葉は物質であり、音楽であり、素材なのです。最初は、白い壁の部屋に男と女、時には2人の女が立っているだけの、ほとんどマイナーなものに見えます。そして、場面が進むにつれて、このシンプルな部屋の中に、自分もそこに含まれるような全宇宙が、彼らと共に立ち現れてくるような気がしてくるのです」と絶賛して紹介。
濱口監督はスタッフ、キャスト20人の名を挙げて「このメンバーがチームのほぼ全員です。とても小さなチームで映画を作りました。この人たちこそがこの映画です」と感謝を述べ、「ありがとうベルリン!」と、映画祭にも礼を述べた。