【寺内タケシさん悼む】あいざき進也「怖い方ですが、根っこに愛」 座右の銘は「親分」の言葉
「寺内タケシとブルージーンズ」のリーダーで、「エレキの神様」と呼ばれたギタリストの寺内タケシ(てらうち・たけし、本名武=たけし)さんが、肺炎のため、18日に横浜市内の病院で亡くなっていたことが19日、分かった。82歳。
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自分にとって寺内会長は親分というか、一番頭の上がらない、怖くて優しい方でした。
70年代、アイドルという存在は非常に短命で、20歳を過ぎて大人の歌を歌っていくため昔ながらの修業をした方がいいんじゃないかと、所属事務所の部長に言われて会長の門をたたきました。
会長は「特別扱いはしない。バンドボーイとしてお茶くみ、雑用から始めるから。まずは根性を試す」と言われました。ボーヤとして修業させていただいて1年2カ月たった時、会長は「あいざき、よく頑張ったな。お前の人生これからいろいろあるだろうけど、ここでのことを思えば乗り切れられる」と。「継続は力だぞ」という言葉が、座右の銘になっています。
90年代に4年ほど(ブルージーンズの)ゲストボーカルとして全国を回らせていただいて、会長には5年以上勉強させていただきました。ゲストボーカルになった時も朝、マッサージに呼ばれるのは自分でしたが、筋肉が柔らかくてしなやかで、速弾きの筋肉はこれかと思いました。
その後もいろいろとご指導を受けました。「あいざき、歌は語れ、語りは歌え」と。弓と同じでためてためてためて、一気に放つ。今でも調子に乗ってワッと歌っている時、会長の顔が浮かびます。シャイというか、怖い方ですが、根っこには愛がありました。