尾身会長らの提言は拍子抜け?に識者が分析「まだ勝負はついてない」
フジテレビ系「バイキングMORE」が21日、政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長ら専門家有志が18日に開いた記者会見で東京五輪・パラリンピックは無観客開催が望ましいなどと提言したことを取り上げた。以前から訴えていた開催の是非には踏み込まなかったが、時事通信社解説委員・山田惠資氏は「まだ勝負はついてない」と分析した。
番組では、尾身会長らが有観客の場合の条件として「現行の大規模イベント開催時よりも厳しい基準の採用」「観客は、開催地の人に限ること。さらに移動経路を含めて感染対策ができるような人々に限る」「感染拡大・医療ひっ迫の予兆が探知される場合には、事態が深刻化しないように時機を逸しないで無観客とすること」を挙げたことなどを伝えた。
MCの俳優・坂上忍は「僕はもうちょっと踏み込んだ内容になるかって正直思ってた。尾身さんは、普通こんな状況下でオリパラ開催するはずないんだっておっしゃってたじゃないですか。だから若干、この会見までにトーンダウン感は否めなかったんですけれども、ちょっと骨抜きになっちゃったような。ちょっと拍子抜けしちゃったんですけど」と感想を口にした。
山田氏も「トーンダウンは事実だと思う。政府の方も、尾身さんの提言がどういう内容になるかちょっと身構えていたところがあった。ですから開催について、開催前提のことを提言していたので、ある種の安堵感はある」としたが、言うべきことは言ったとも評価。
「ただ、緊急事態宣言がもし今回以降発出された場合は、やっぱり無観客にしなければいけないということもはっきりしました。しかも、これからまた感染が増えていく可能性があるっていうことは前提になってますので、今後これからまた感染が増えてきたときに、今回のこのメンバーの方々がまたさらに何か発言をした場合は、それはそれで重みを持つ」とし、「結構政府には突きつけたものは突きつけたという印象」ととらえた。
さらに山田氏は「今後、無観客にするのかどうかっていうことが迫られてくるのは緊急事態宣言が出てもおかしくないぐらい感染が広がってる時だから、その時はむしろ中止しなくちゃいけないことと背中合わせになってくるっていう意味では、拍子抜けの現在の中間的な部分ていうのは正しいと思うけど、まだ勝負はついてない」と、尾身会長らの主張が通る可能性も残っているとの見方を示した。