テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」が２５日、宮内庁の西村泰彦長官が２４日の定例会見で「陛下はオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されている。ご心配であると拝察をいたします」と衝撃の発言を行ったことを伝え、テレビ朝日の玉川徹氏は「僕は、陛下は踏み込まれたかなと。今までの天皇としてのあり方よりも踏み込まれたのかなっていうふうに、僕はちょっと感じた」と自説を述べた。

　番組では、この発言を受けての一問一答も報道。「陛下が五輪が感染拡大のきっかけになるのを懸念されているというのは長官の拝察ということか」と確認する質問には「私の拝察です。日々、陛下とお話ししている中で私が肌感覚として受け止めているということです」。さらに「仮に拝察でも、長官の発言が報道されれば影響があると思うが発信していいのか」と問われ、西村長官は「はい。私はそう拝察し、感染防止のための対策を関係機関に徹底してもらいたい」と答えた。

　ただ「これは陛下のお気持ちと受け取っても間違いないか」と聞かれると「陛下はそうお考えではないかと私は思っています。ただ陛下から直接そういうお言葉を聞いたことはありません。そこは誤解のないようにおねがいします」と念を押したことを伝えた

　宮内庁元職員で皇室ジャーナリスト・山下晋司氏は「宮内庁の長官が陛下のお考えと違うことを、拝察とはいえ言うわけがない。これはもう普通に考えれば、陛下はこういうふうに思っておられると。宮内庁の長官は、さまざまな機会で陛下とお話しになることがあるわけで、当然コロナに関すること、オリンピックに関することも話の中には出てくる。そういうところを通して、長官は強く感じているというか、陛下は相当心配されているなということを感じているということ」と説明した。

　玉川氏は「僕はちょっとビックリしたんですよね。異例か異例じゃないかといったら、僕は異例だろうなと思った」ととらえ、「歴代の天皇は象徴というものをどういうふうにして実現するかという中で、ある種祈りの存在っていうような形で上皇陛下なんかもそういう形をご自身の中で作られようとして励まれてきたところがあって、なるべく政治的な政治に関わるような発言はしないという形でこられたと思うんですね。まあ憲法上もそうなってる」と前置き。

　続けて「発言の内容を見ても、あえてオリンピックの話までされてる。中止するかどうかってことまで含むかどうかはわからないが、観客を入れる入れないの話も含めて、今行われてる対策では心配だからこそ、安心されてないからこそ今回の発言が出てきてる。これは、やっぱり政治的な意味合いをどうしても含んじゃってます。僕は、陛下は踏み込まれたかなと。今までの天皇としてのあり方よりも踏み込まれたのかなっていうふうに、僕はちょっと感じた」と重く受け止めていた。