アングラの女王李麗仙さん死去 「金八先生」などで存在感 長男・大鶴義丹が追悼

 アングラ演劇で活躍し、TBS系ドラマ「3年B組金八先生」などに出演した女優の李麗仙(り・れいせん、本名大鶴初子=おおつる・はつこ)さんが肺炎のため、22日午前に東京都内の病院で亡くなったことが25日、分かった。79歳。東京都出身。遺族の意向で葬儀は近親者と関係者で執り行う。元夫は劇作家の唐十郎(81)で、長男は俳優の大鶴義丹(53)。大鶴は「唯一無二のアングラ女優人生を全うして、一片の悔い無き人生だった」と演劇人として生涯を貫いた偉大な母を追悼した。

 63年の女優活動開始から病に倒れるまでの半世紀以上を演劇にささげた「アングラの女王」が、静かに天国へと旅立った。

 関係者によると、李さんは2018年に脳梗塞を患い、リハビリに励むなど療養。今春に肺炎を発症し、入院生活を送っていたという。最後の舞台は、17年に上演された創作劇「六条御息所(ろくじょうみやすどころ)」。葬儀は遺族の意向で今週末に親族と演劇関係者のみで執り行われる。

 長男の大鶴は報道各社に文書でコメントを発表。「私の父である唐十郎とともに劇団『状況劇場』を興し、60年代70年代のアングラ演劇シーンの真っただ中を疾走しました。父とは離婚しましたが、最後まで盟友としての親交はありました。唯一無二のアングラ女優人生を全うして、一片の悔い無き人生だったと思います」と役者人生を全うした母を敬った。

 李さんは63年、舞台芸術学院在学中に知り合った唐が主宰する「状況劇場」に参加して、役者人生をスタートさせた。金粉ショーのダンサーで生活費を稼ぎながら、個性的な演技で同劇団の看板女優に。新宿・花園神社に紅テントを建て前衛的な公演を行うなど、アングラ演劇の象徴的存在となった。

 その後はNHK大河「黄金の日日」(78年)や映画「ホテルコパン」(16年)など映像の分野でも活躍。95年放送のTBS系「-金八先生」の第4シーズンでは、堅物の教頭役で存在感を示した。晩年は能をテーマにした作品に取り組んだ。

 プライベートでは唐と67年に結婚。68年に長男の大鶴を出産するも、88年に離婚した。

 ◆李麗仙(り・れいせん)1942年3月25日生まれ、東京都出身。本名は大鶴初子。両親は在日韓国人。63年に唐十郎主宰の劇団「状況劇場」の設立に参加し、同劇団の看板女優に成長。デビューで「星山初子」だった芸名は数年後に「李礼仙」と改名。87年に現在の芸名に至った。舞台「腰巻お仙」シリーズ、「ジョン・シルバー」シリーズで人気に。映画「任侠外伝 玄界灘」(76年)、ドラマ「黄金の日日」(78年)などに出演。

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