紙巻きから加熱式たばこへの切り替え 健康懸念物質は禁煙レベルに低下 JTが科学的調査

 JTは、このほど「加熱式たばこに関する科学的調査」をテーマにオンライン会見を開き、紙巻きたばこの喫煙者が同社製品の「プルーム・テック・プラス」「プルーム・エス・2.0」を含む市販加熱式たばこに切り替えた場合、体内に取り込まれる健康懸念物質は禁煙をした場合と同様レベルとなったとの調査結果を発表した。

   ◇  ◇

 調査は、紙巻きたばこの喫煙に伴う疾病リスクの主な原因が、たばこ葉を燃焼させる際に発生する煙に含まれる健康懸念物質であると考えられていることから、たばこ葉の燃焼を伴わず煙が発生しない新しいスタイルのたばこ製品は、喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性がある製品(リスク低減製品)であると考える、との観点から実施された。

 ◆調査方法

 健康的な紙巻きたばこ喫煙者90人が医療施設に7泊8日入院。最初の2日間、通常通り紙巻きたばこを喫煙。その後参加者を15人ずつ

(1)そのまま紙巻きたばこの喫煙を継続

(2)「プルーム・テック・プラス」に切り替え

(3)「プルーム・エス・2.0」に切り替え

(4)他社加熱式たばこ製品Aに切り替え

(5)他社加熱式たばこ製品Bに切り替え

(6)禁煙

 と6つのグループに分け、紙巻きたばこの喫煙者が加熱式たばこに切り替えた場合の健康懸念物質の変化を、紙巻きたばこの喫煙を継続した場合、禁煙した場合と比較した。具体的には、参加者の尿検査および呼気測定を実施。その中に含まれる健康懸念物質またはその代謝物の量を0日目、3日目、5日目に測定しその変化を調査。

 ◆調査結果

(1)紙巻きたばこの喫煙継続グループは、曝露量(体内に取り込む量)に変化はなし

(2)禁煙グループは3日目、5日目で曝露量が低減

(3)加熱式たばこへの切り替えたグループは、測定した健康懸念物質の多くで曝露量が禁煙グループと同様レベルまで低減。また、紙巻きたばこの喫煙継続グループと比較して、健康懸念物質の多くで曝露量が顕著に減少

 ◆JTの見解 

 調査結果から「プルーム・テック・プラス」「プルーム・エス・2.0」を含む4種の加熱式たばこの使用が、紙巻きたばこの喫煙に比べて測定した多くの健康懸念物質の曝露量を顕著に低減させることが示された。加熱式たばこの使用が、喫煙に伴う健康へのリスクを低減させる可能性を支持していると考える。

 ◆熊谷雄治・北里大学医学部附属臨床研究センター教授の見解

 加熱式たばこは、紙巻きたばこの喫煙に伴う疾病リスクを低減する可能性が高いと考える。ただ、この結果のみで疾病リスクが低減されるかは結論づけられず、今後、加熱式たばこ使用者の健康影響、さらには長期的な研究も必要。

 JTは、今後も加熱式たばこの調査、研究に積極的に協力し、リスク低減製品の開発や研究を引き続き続けていくという。

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