寄席支援クラファン1億円突破 柳亭市馬&春風亭昇太両会長「心を動かされました」
コロナ禍で存続の危機にある東京都内5カ所の演芸場を支援するために落語協会と落語芸術協会が実施したクラウドファンディング(CF)が6月30日に募集を終了し、寄せられた金額は1億362万5000円に達したことが1日、発表された。
CFは5月18日にスタート。当初目標の5000万円を開始4日目の同21日に達成し、6月14日には第2目標の8000万円も突破していた。
支援者数は7134人。約75%が1万円以下の小口支援で、年代別では35~44歳が約25%と最多。エリア別では東京都が約43%と最多、関東圏からが約75%。47都道府県全てから支援が集まった。
落語協会・柳亭市馬会長と落語芸術協会・春風亭昇太会長は連名コメントを発表。「これほどまでに多くの皆様が寄席そして落語を大切に思ってくださっていることに、我々芸人はもちろん、寄席関係者の皆さんも心を動かされました」と支援の輪の広がりは予想以上だったとし「中にはまだ寄席にいらしたことがない方からもご支援をいただき、寄席をしっかりと続けていかなくてはと、奮い立たされた次第です」と決意も新た。「落語協会、落語芸術協会が珍しく手を組んだわけではありますが、今回に限らず、落語・寄席演芸の振興発展のために今後も手を携えていけたらと思っております」と今後も両協会が協力していくことを明かし「この度は誠にありがとうございました」と感謝した。
寄付金は鈴本演芸場、新宿末広亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、お江戸上野広小路亭に分配。8000万円を超える支援については、寄席興行運営費に加えて寄席の環境整備等にも充てられる。
◆柳亭市馬、春風亭昇太両会長のコメント全文
この度はあたたかいご支援を賜り、心からお礼申し上げます。
クラウドファンディングを開始する際は、本当に5000万円も支援が集まるのだろうかと不安がなかったわけではありません。
しかし、これほどまでに多くの皆様が寄席そして落語を大切に思ってくださっていることに、我々芸人はもちろん、寄席関係者の皆さんも心を動かされました。
応援コメントにも大変励まされました。コメントを読みながら涙していた芸人もおります。中にはまだ寄席にいらしたことがない方からもご支援をいただき、寄席をしっかりと続けていかなくてはと、奮い立たされた次第です。
これからも誠心誠意芸に励み、みなさまから頂いたご支援・お気持ちにしっかり応えてまいります。
落語協会、落語芸術協会が珍しく手を組んだわけではありますが、今回に限らず、落語・寄席演芸の振興発展のために今後も手を携えていけたらと思っております。
今回のクラウドファンディングを将来思い出話として語れる日が来るよう、日々精進してまいります。
今後とも末長く寄席・寄席演芸をよろしくお願いいたします。この度は誠にありがとうございました。