専門家、土石流の前兆「匂い」「泥水」「噴出」「小石」と解説「まずは避難」強調
活発な梅雨前線の影響で、3日、関東で激しい雨が降り、午前10時半ごろ、静岡・熱海市の伊豆山で大規模な土石流が発生し、約20人の安否が分からなくなった。この日、フジテレビ系「イット!」には、現地調査を通じて防災に関する提言を行う「防災システム研究所」の山村武彦所長が出演し、「いち早く、念のために避難するということが大事」と呼びかけた。
山村氏は土石流について「時速20キロから40キロくらいのスピードで流れ下り、非常に破壊力が強い」と危険度が高いと強調。伊豆山地域に対しては「周辺は地盤が不安定になっていますので、大雨が続くとすれば、どこの斜面でもこういったことが起こりやすい」と警戒を呼びかけた。
熱海市に住む男性が電話インタビューで「ゆうべ(2日夜)、地震じゃないけど家が揺れてたんですね。夜11時くらいかな。昨日から前兆があったのかな、そういう感じです」と証言。これを山村氏は「小さな斜面崩壊が上部で起こっていた可能性はあります。それでせき止めダム化して、一気に後で落ちるということはあり得ることです」と分析した。
内田嶺衣奈アナウンサーは、土石流の前兆についてあらためて質問。山村氏は「変な匂いがするとか、泥水が流れたりとか、斜面から水が噴き出したりとか、小石や土砂が崩れ落ちるとか、そういう小さなことを確認した時には危険度が増している」と具体例を挙げた。続けて、前兆を見つけようとして外を歩かないようにも念を押した。最後は「今、コロナ禍で、感染を懸念して避難をためらう方もいらっしゃいますが、取りあえず危険な時は『持ち出すものは命だけ』と思って、一目散に避難することを心がけてほしいですね」とちゅうちょしないよう、重ねて呼びかけた。