藤井棋聖 史上最年少18歳11カ月 タイトル初防衛&九段昇段!渡辺明名人に3連勝
将棋の藤井聡太棋聖(王位との二冠=18)が渡辺明名人(棋王、王将との三冠=37)の挑戦を受ける第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第3局が3日、静岡県沼津市「沼津御用邸東附属邸第1学問所」で指され、藤井棋聖が100手で勝利した。3連勝でタイトル初防衛を決め、史上最年少となる18歳11カ月で、タイトル初防衛と九段昇段を達成した。
また藤井聡太が歴史に名を残した。昨年は現役最強と言われる渡辺名人を鮮やかに破り、史上最年少タイトル奪取と強烈な記憶を残した棋聖戦。今年はリベンジを受ける形となったが、2年連続で“魔王”を撃破した。
先手の渡辺名人に誘導され、今シリーズで初めて矢倉の将棋に。序盤から渡辺名人の研究通りの展開に持ち込まれた。終盤はAIの評価値がたびたび入れ替わる激戦となったが、最後は藤井棋聖の持ち味である終盤力が光り、即詰みに討ち取った。
これで藤井棋聖は、21歳7カ月で達成した渡辺明名人の最年少九段昇段記録を16年ぶりに更新、また19歳0カ月で達成した屋敷伸之九段の最年少タイトル初防衛記録を30年ぶりに更新と今シリーズも記録ずくめとなった。
対局後の会見では色紙に「初防衛」としたため、「苦しい内容だったと思うので、3連勝は実力以上の結果。今回防衛戦で結果を出せたが、一人前という意識はない。ほっとしてるところはあるんですが満足することなくやっていきたい」とりりしい表情で話した。
これからも豊島将之竜王(叡王との二冠=31)との王位戦&叡王戦のWタイトル戦を戦っていくことになる。「タイトル戦に出るようになって、いろいろな方のおかげで将棋ができると思うようになったのかな」とこの1年でファンへの思いが変化したことも明かした。
最年少記録を何度更新しようとも、表情は変わらない。追い求めるのは数字ではなく強さ。「これまでの公式戦200局以上で、完璧に指せたという将棋は1局もないし、強くなることで今までと違う景色を見ることができたら」。誰も見たことのない景色を見るために、きょうも盤に向かう。