夏木マリ「湯婆婆」で舞台「千と千尋」出演 映画との二刀流「私の財産のひとつ」
歌手・夏木マリ(69)が、スタジオジブリのアニメ映画を舞台化する「千と千尋の神隠し」(来年2~3月、東京・帝国劇場など)に、映画版で声優を担当した「湯婆婆」役で出演することが7日までに分かった。このほど、東京・三鷹の森ジブリ美術館で夏木が会見。主演は女優・橋本環奈(22)と上白石萌音(23)がWキャストで務めることが既に発表済みで、今回は他の主要配役が新たに発表された。
名作の強烈なキャラクターを、公開から20年以上の時を経て“本人”がよみがえらせることになった。「働け~、働け~」-。夏木は会見の第一声で、湯婆婆の象徴的なセリフを再現した。
湯婆婆は物語の舞台となる湯屋を経営し、主人公「千尋」の名前を奪って、「千」として働かせる魔女。声優の時と同様に、双子の姉・銭婆との2役を舞台でもこなす。
登場キャラで映画と“二刀流”となるのは夏木のみで「アカデミー賞(長編アニメ映画賞)も取って、ここんとこ『鬼滅』にやられ(抜かれ)ましたけど、(国内興収記録が)ずっと1番で、皆さんの心に残ってる映画。またお声掛けいただいて。私の財産のひとつ」と、再登板に胸を弾ませた。
ジブリ美術館は初訪問で、会見場となったのは、湯屋をモチーフにデザインされた吹き抜けのホール。総本山で作品の魅力を「人間力をいろんなキャラクターから教えられる。社会への怒りも入っていて」と紹介した。
「私たちはキャラクターとして、余計なことをしなくても立ってるだけで、お客さまが感動するのが目指すところ」と役作りプランを練って、課題には「体力」を挙げた。
同席したジブリの鈴木敏夫プロデューサー(72)は、原作者の宮崎駿監督(80)が舞台化を許可した経緯を説明。「『僕が観に行かなくていいように』と条件を1個出して。スミマセン、へそ曲がりで。彼は目の前に集中するのに過去は忘れるので、舞台も構わないということだと思う」と、生みの親の胸中を代弁していた。