日活撮影監督・前田米造さん死去 ロマンポルノ、伊丹作品撮影 誤嚥性肺炎、85歳
日活の撮影監督だった前田米造さんが6日午前8時45分、都内の病院で誤嚥(ごえん)性肺炎のため亡くなったことが13日、発表された。85歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で執り行われた。
54年に撮影助手として日活撮影所に入社。72年の「たそがれの情事」でカメラマンとしてデビューし、「赫い髪の女」「キャバレー日記」などロマンポルノ作品76本を手掛けた。82年にフリーとなり、森田芳光監督、伊丹十三監督とのタッグで「家族ゲーム」「マルサの女」など数々の名作を担当。伊丹監督の全10作品中8作を撮影し、厚く信頼された。86年には森田作品「それから」で日本アカデミー賞最優秀撮影賞、91年に「天と地と」(角川春樹監督)で日本アカデミー賞優秀撮影賞を獲得した。
07年に旭日小綬章を受章。日活芸術学院で講師として後進育成にも尽力、今年の日本アカデミー賞では会長功労賞を贈られている。
関係者によると、3月中旬から体調を崩し、入院生活を送っていたという。