濱口竜介監督「ドライブ・マイ・カー」がカンヌで日本初の脚本賞を受賞

 仏南部で開催された第74回カンヌ国際映画祭の授賞式が17日(日本時間18日)に行われ、村上春樹氏の小説を濱口竜介監督(42)が映画化した「ドライブ・マイ・カー」(8月20日公開)の濱口監督と大江崇允(たかまさ)氏(40)が日本人初の脚本賞に選ばれた。「ドライブ-」は独立賞である国際批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞にも選ばれた。

 上映後の現地での評価は高く、濱口監督は囲み取材で「終わってしまえばちょっと良すぎたってところがあったような気がします。皆さんの気持ちが高まって自分も言われて『そんなに?』って気持ちではあったので」と振り返りつつ、「とらえ方が難しいなと思うこともありますけど、本当に誇らしい賞だという感じですね」と、受賞の心境を述べた。

 受賞理由については「本当に口をそろえて言っていただけるのは、時間を感じない、気がつけばある流れにのっている、みたいな。そこが脚本賞という評価につながっているのかもしれない」と考察。本作の脚本について「村上春樹さんの世界観に自分なりに映像としてきちんと表現しなければならない。村上さんのテキストに書かされるというか、自分が普段書けないようなことをけっこう書けたという感覚はあります。今回がむしろ特別だったのかもしれない」と説明した。

 世界三大映画祭では、脚本を執筆した黒沢清監督「スパイの妻」が昨年のヴェネツィアで銀獅子賞(監督賞)、監督作「偶然と想像」が今年のベルリンで銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞したのに続き、携わった作品が3連続受賞を果たしたことについては「続けているとこういうご褒美があるんだなあということを思うばかりです。賞を取ったからどうということはあまり考えず、これからもそんなに変わらず。自分が普段やってることがこういう場所につながっているんだなという感覚は奇妙な感覚です」と冷静にコメント。

 「ここ(カンヌ)に来られるのはそんなに生半可なことじゃないので、いつかまたここに来られるように頑張っていきたい」と話していた。

 受賞を受けて、主演の西島秀俊は濱口監督を「監督が村上春樹さんの原作を問いとし、過去と真摯に向き合う事で人は絶望から再生することが出来るという答えを示したこの作品が、世界の人々の共感を呼んだのは本当に素晴らしい事だと思います。監督の、人への深い洞察と愛情の力です」と祝福した。

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