原沢侑高が柔道男子100キロ超級の兄・久喜にエール 絶対に勝てる!
東京五輪の競技や選手にゆかりの著名人がエールを送る企画の第6弾は、柔道男子100キロ超級の原沢久喜選手(29)の弟で俳優の原沢侑高(24)が登場します。兄は初出場のリオ五輪で銀メダル獲得後、オーバートレーニング症候群や故障に苦しみましたが、不振を乗り越えて完全復活。30日、初の金メダルに挑みます。見守ってきた弟は、期待するのはもちろん金メダルとしつつも「納得して帰ってきてほしい」と優しい表情で語りました。
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リオ五輪は面白いくらい勢いがあったけど、今回はプレッシャーが全然違うと兄貴も言っていました。3人きょうだいの長男だからか、子供の頃から一人で背負う性格。うちは母子家庭で、裕福じゃないので、自然と兄貴がオヤジの代わりというか。だからこそ兄貴はあそこまで強くなれたと思う。名誉とか名声、富に全然こだわらなくて、本当に柔道を突き詰める人って感じです。
ケンカもよくしてました。最後は兄貴が高校生のとき。兄貴にほっぺをつねられて俺が「やめろよ、死ね!」と言ったら、「死ね」がひっかかったのか兄貴が「謝れ」と怒って。謝らずに走って逃げたらその場でぶん投げられました。母ちゃんにも言われて渋々謝ると、肩を一発パーンと殴られて。次の日めっちゃアザできてたんすよ。その日、兄貴の舎弟になることを決めました(笑)。
兄貴が変わったなと思ったのは、大学に入って強くなってから。僕が俳優になるのを母ちゃんが大反対してて、僕がアルバイトでためた100万円を母ちゃんに渡して認めてもらったと取材とかで美談にしてたんですよ。
でも最近聞いたら、母ちゃんが兄貴に相談したとき、兄貴が「やらなくて後悔するくらいなら、絶対やらせた方がいい」と言って納得させたらしい。自分で色んな世界を見られるようになったから変わったのかな。
兄貴がよく言ってるんですけど、最高の準備をすれば最高の結果が待ってるんですよ。兄貴がスポーツに立ち向かっていく姿勢は、僕が俳優として立ち向かっていく姿勢と同じなんだなと思いますね。ずっと兄貴の背中を追うじゃないですけど、勝負師としての教えは学んでますね。ちょっとブラコンみたいですけど(笑)。
落ち着いて一試合一試合取り組めば、兄貴は絶対に勝てると思う。もちろん金メダルは取ってほしいけど、やっぱり兄貴が納得して帰ってきてほしい。リオが終わってから精神的に落ちた時があるんで、強い方ではないと思うんですよ、メンタルは。だからそこのケアをちゃんとできて帰ってきてくれたらうれしいです。
◆原沢侑高(はらさわ・ゆたか)1996年12月17日生まれ、山口県下関市出身。久喜、姉(看護師)、侑高の3きょうだいで、兄とは4学年差。兄と同じ大西道場で柔道を始めるも、俳優の道を目指すため断念。劇団俳優座研究所を卒業し、2017年8月、浅井企画からデビュー。映画「コンフィデンスマンJP プリンセス編」(20年)などに出演。特技は柔道(二段)、野球、水泳、詩吟。身長188センチ。