セックス・ピストルズ 76~77年収録音源の4枚組BOXを9・24発売

 パンク・ロックを代表する英バンド「セックス・ピストルズ」唯一のオリジナルアルバムにして歴史的名盤「勝手にしやがれ!!」(1977年)収録曲のデモ音源やアウトテイクを集大成したCD4枚組ボックス・セット「76-77」が9月24日に発売されることが29日、発表された。デジタル配信でもリリースされる。

 「76-77」は、「勝手にしやがれ!!」リリース以前にピストルズがレコーディングした音源を集大成。76年5月~77年9月に録音されたオルタネート・バージョンが80種類以上収録され、未発表曲も8曲収録される。また、30曲は初めてデジタル配信される。

 【セックス・ピストルズ結成から「勝手にしやがれ!!」リリースまでの歩み】

 オリジナル・メンバーであるジョン・ライドン、ポール・クック、スティーヴ・ジョーンズ、グレン・マトロックがグループを結成したのは75年夏。10カ月後に初めてレコーディング・スタジオに足を踏み入れる。

 初レコーディングは76年5月15日にロンドンのマジェスティックで行われ、名ギタリストのクリス・スペディングが立ち会った。7月にはデシベル、次いでリヴァーサイドでデイヴ・グッドマンと共にレコーディングが行われ、10月にはランズダウンとウェセックスでもレコーディングが行われている。

 初期のレコーディング・セッションの成果は「76-77」に全て含まれている。この時期、ピストルズはEMIと契約し、同社のマンチェスター・スクエア・スタジオでもセッションを行った。その音源も今回のセットには含まれている。

 ピストルズはシングル「アナーキー・イン・ザ・U.K.」をリリースするが、プロモーションのために行った活動は逆効果となった。76年12月1日、ITVのビル・グランディの番組にクイーンの代役としてゲスト出演してスキャンダルを巻き起こした結果、EMIは77年1月6日に契約を解除する。

 ピストルズはEMIからの前金4万ポンドを活動資金とし、すぐにグッドマンと共にイーデン・スタジオとグースベリー・スタジオでレコーディングを続けた。2月にはマトロックが脱退し、シド・ヴィシャスが加入する。

 3月9日、ピストルズはA&Mと契約。契約金は15万ポンドだった。翌日にはバッキンガム宮殿の外でマスメディア向けに契約の調印式を再現。A&Mはシングル「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」を3月25日にリリースするためにレコードのプレスを始めた。

 2万5000枚がプレスされたが、発売日にA&Mはリリース中止を発表。ピストルズとの契約を解除し、プレスの終わっていたシングルを破棄した。ピストルズは契約解除の補償金として7万5000ポンドを手にし、さらにレコーディングを続けた。

 5月13日の金曜日、ピストルズはヴァージン・レコードと契約し、77年9月までレコーディングを行う。翌月、「勝手にしやがれ!!」がリリースされた。

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