東京都医師会会長「病床増えない」原因は厚労省 「われわれの考えで変えるのは無理」
東京都医師会の尾崎治夫会長が16日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」に出演し、新型コロナウイルスに対応できる病床が増えないことに対する疑問に答えた。
同局の玉川徹氏が「医師会に対する批判も多い。『これだけ日本にベッドがいっぱいあるのに、医師会の人たちが協力してくれないからベッドが使えないんじゃないか』っていうような批判があるんです。これに対してはどういう風に反論しますか」と直球で質問。尾崎氏は「医師会が決めれば何でも動かせるっていうわけではない」と答えた。
尾崎氏によると、急性期用、慢性期用など病床の使用目的、病床に対する医師の数、看護師の数なども国に「細かく全部決められている」という。「それを全部われわれの考えでどんどん変えていくっていうのは現実的に無理」と前置きし、「やはり行政。厚労省がしっかり動いて『有事の際だからこういう風な柔軟な対応をしましょう』ということを言ってくれればできないことはない」と病床が増えないのは厚労省が動いていないことが原因とした。
番組によると、東京都は今年4月時点でベッドは一般病床と療養病床で10万8295床。そのうち新型コロナウイルス患者のために確保済みなのは現状5967床となっている。
都は10万8295床のうち、急性期の患者のために5万床、がん・脳卒中・心臓病などの患者のために4万床が必要としている。残りは1万8000床あまりとなるが、尾崎氏は「病床のスペース、人員とか考えたら使えるのは6000くらい。通常の病気も全部救いながらやっているっていうことをご理解いただきたい」と説明した。