ジャニーズ事務所の名誉会長、藤島メリー泰子（ふじしま・めりー・やすこ）さんが１４日午前７時３５分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。９３歳。同事務所が１７日、公式企業サイトで公表した。葬儀・告別式は近親者のみで執り行われ、お別れの会を行う予定はないという。メリーさんは、２０１９年７月に亡くなった弟のジャニー喜多川前社長（享年８７）とともにジャニーズ事務所を創業。裏方として経営面やタレントの管理に携わり、一大帝国を築き上げた。

　「ジャニーズの母」が、静かに旅立った。

　メリーさんは１９２７年１２月、米ロサンゼルスで、僧侶だった父のもとに長女として誕生した。幼少期、日本に一時帰国するが、再び渡米。６２年に実弟のジャニーさんとともにジャニーズ事務所を創業。ジャニーさんが社長、メリーさんが副社長の“姉弟両輪”で事務所を支えてきた。

　タレントを発掘・育成するプロデューサーだった弟に対し、メリーさんは経理面やマネジメントを担当。経営手腕を発揮するとともに、タレントたちを「うちの子」と呼び、家族同然に愛情を持って接してきた。

　マネジメントの才覚に優れ、海外公演に同行した際に人脈を築き上げ、嵐の「日中文化・スポーツ交流推進年親善大使」就任につなげるなど、らつ腕を発揮。国民的女優・森光子さんや、タレント・黒柳徹子（８８）との親交や、大手芸能プロ幹部との交流など、業界での広い人脈を持ち、実力者として知られた。

　プライベートでは作家の藤島泰輔氏（９７年死去）と結婚し、現・ジャニーズ事務所社長でもある長女・藤島ジュリー景子氏（５５）をもうけた。

　２０１９年にジャニーさんが他界すると、メリーさんは同年９月、代表取締役会長に。長女のジュリーさんが社長、滝沢秀明氏（３９）が副社長に就任し、次世代に託した。昨年９月には名誉会長の職に就いており、事務所は新たな時代へ舵を切っていた。

　関係者によると、最近は、高齢のため都内の病院で過ごしていたが、体調にも問題なく穏やかに過ごしていたという。

　所属タレントらは、葬儀までにメリーさんと最後の別れをした。