倉持医師 菅首相の抗体カクテル「十分確保」は「事実誤認」「現実が見えてない」
栃木県宇都宮市の「インターパーク倉持呼吸器内科」の院長、倉持仁医師が18日、TBS系「Nスタ」に出演。菅義偉首相が17日に記者会見した際に、抗体カクテル療法について「十分な量を確保している」と話したことを「事実誤認」と一刀両断した。
菅首相は会見で、新型コロナウイルスの治療薬の切り札的存在とみられている抗体カクテル療法について「当初は申し込みがあってから届くまで3日かかっていた。今は必要なところには事前に届いていると思っている。十分な量を確保している。完全に事前にどんどんお薬を出している」と説明した。
番組で倉持医師はキャスターのホラン千秋から「菅総理の発言通りに現状はなっているんでしょうか?」と聞かれて「きょう製薬会社に確認しましたが、全然なっていないですね。事実誤認ですね」と切り捨てた。
続けて「ですから、現実をきちんと見てですね、2カ月後のワクチンをすることよりも、今は9割の方が自宅で死ぬかもしれないという恐怖の中で生活をしているんですね。それが第3波のときの全国の自宅療養者3万人を東京都だけでも超えようとしている現実が見えてないのかなと、非常に残念な感じがしますね」と語った。
抗体カクテルは7万しかないと報じられているが、菅首相は「十分にある」と語っている。その差について聞かれた倉持医師は「数が足りないなら足りないなりの戦略があるんですね。7万しかないなら、7万を今すぐ使うべき。そして次の薬を買ってくるとかしないといけない。ないとかあるとかばかり言って、現場には来てないですから」と会見内容と現場の実態に違いがあることを手厳しく指摘した。
この日、東京都の新規感染者は5386人確認され、前週水曜の11日の4200人から1186人増えている。重症者は前日から1人減り275人。死亡が6人確認されている。