松山ケンイチ伝える 激動の戦後沖縄 日本復帰50周年の節目に9年ぶり舞台単独主演

 俳優・松山ケンイチ(36)が舞台「HANA」(2022年1月~2月、東京芸術劇場プレイハウスほか)に主演し、返還直前の沖縄の青年を演じることが18日、分かった。戦争孤児となって引き取られて育ったが、ヤクザになって家族と疎遠になっている長男役。日本復帰50周年の節目に、戦後沖縄の激動の時代を生きた人々の姿を描き出す。

 物語の舞台は、返還直前の1970年の沖縄・コザ。血のつながりのない家族が、心をぶつけ合いながらわだかまりを解き、生きる道を見つめていく、あるバーでの一夜が描かれる。

 演出家として長年沖縄を見つめ続けてきた日本演劇界の巨匠・栗山民也氏による新作。脚本は舞台「母と暮せば」でも栗山氏とコンビを組んだ畑澤聖悟氏が担当する。

 松山が演じるのは、戦争孤児となって女性に引き取られ育ったが、ヤクザになって家に寄りつかなくなった青年・ハルオ。複雑な背景と感情を抱えた役どころだ。舞台出演は4作目で単独主演は初出演作の「遠い夏のゴッホ」以来9年ぶり。映像作品を主戦場とするが、きちんとセリフとテーマを届けられる俳優として、栗山氏との初タッグが実現した。

 青森県出身で故郷の方言を大事にしている松山は、今回は生粋の沖縄人を演じるため、70年代の琉球言葉の習得に挑戦。作品の思いを届けるべく、その土地の言葉を大切にしたいと意欲を見せているという。「この作品、キャスト、スタッフと出会うことで一つのターニングポイントになると思います。観客の皆様にとってもそんな作品になるよう力まず背負わず伝えていけたら」と意気込んだ。

 元孤児で血のつながりない弟・アキオを岡山天音(27)、2人を育てた母・おかあを余貴美子(65)が演じる。岡山が「期待に心を震わせております」と明かせば、余も「沖縄の物語に関われることは、楽しみであり責任を感じます」とコメントした。

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