千葉真一さん 日本のアクションをリード「トム・クルーズの何十年も前に俺は」

 千葉真一さん(2018年6月17日撮影)
 ドラマ「影の軍団Ⅳ」の撮影に臨む千葉真一さん=1985年1月
 映画「魔界転生」の衣装で沢田研二(左)と写真に納まる=千葉真一さん1980年12月 
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 アクション俳優として国際的に活躍した、千葉真一さん(ちば・しんいち、本名前田禎穂=まえだ・さだほ)が19日午後5時26分、千葉県木更津市の病院で死去した。82歳。関係者によると、新型コロナウイルスに感染して症状が悪化し、8日から入院していた。長男の新田真剣佑(24)や次男の眞栄田郷敦(21)も俳優として活躍するアクションスターの元祖が突然の病との戦いの末に旅立った。福岡市出身。葬儀・告別式は近親者で行う。

 19日に亡くなった千葉真一さんは、日本のアクションをリードした自負と、世界へもう一度打って出る映画を撮る夢と情熱が尽きなかった。

 「ハリウッドと手を組んで世界が注目する日本映画を作る。やれる人がいないなら俺がやる」

 近年もギラギラした目とがっちりした体つきのまま。

 「脚本は書いてある。下敷きは新渡戸稲造の『武士道』で実話に基づく。戊辰戦争のころ、会津藩から数十人がカリフォルニアへ入植のために渡った。誰も帰ってこなかったが生き残りがいた。そのドラマです。キャストは国を超える。冒頭は先住民と侍の戦い。すさまじい映画になる」

 殺陣の一端まで見せながら、構想を語ったことも。

 「デビュー当時から一緒にやった深作欣二監督が生きていたらすぐに頼むんだけどね。彼とクエンティン・タランティーノ監督と俺とで昔、映画の構想を練って、日米で互いのパートを撮ると言っているうちに深作さんは亡くなっちゃった」

 テレビの企画で米国のスタントマンが来日と聞いた若き日の千葉さん。「負けねぇ。新宿の京王プラザホテルの屋上からザイル1本垂らして降りてやる」と息巻いた。高さ百数十メートルの屋上に立つと後悔したが「シューッと降りたら気持ち良かったなぁ。今トム・クルーズがいろいろやってるけど、何十年も前に俺はやってた」とにんまり。

 ドラマ「キイハンター」で、離陸する軽飛行機に車の運転席から乗り移る撮影の危険度は千葉史上1位。

 「飛行機につかまったら左足が車のハンドルに引っ掛かって抜けない、死ぬと思ったよ」

 ジャッキー・チェンやキアヌ・リーブスからも尊敬された。

 「元気なうちに何としても映画を撮りたい。足腰が大事だから週2、3回だけど鍛えてる。芝生で柔軟をしていると、何かこう、みなぎってくるんだよ、『まだまだいくぞ!』ってね」

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