アクション俳優として国際的に活躍した、千葉真一さん（ちば・しんいち、本名前田禎穂＝まえだ・さだほ）が１９日午後５時２６分、千葉県木更津市の病院で死去した。８２歳。関係者によると、新型コロナウイルスに感染して症状が悪化し、８日から入院していた。長男の新田真剣佑（２４）や次男の眞栄田郷敦（２１）も俳優として活躍するアクションスターの元祖が突然の病との戦いの末に旅立った。福岡市出身。葬儀・告別式は近親者で行う。

　日本を代表するアクション俳優が、新型コロナウイルスにより急逝した。

　関係者によると、新型コロナによる肺炎が悪化したため入院し、酸素吸入を続けていた。１８日に危篤状態となり、帰らぬ人となった。所属事務所によると、ワクチンは接種していなかったという。

　千葉さんと７月に都内で食事をしたという旧知の友人は、取材に「すごく元気で多くの話をしていた。信じられない」と語った。

　千葉さんは中学生の頃に器械体操を始め、五輪出場を目指して１９５７年に日本体育大学器械体操科に入学。負傷で夢を断念し、俳優の道を志した。大学を中退し、一念発起して応募した５９年に東映第６期ニューフェイスに合格。翌６０年、デビュー作となったテレビドラマ「新　七色仮面」に主演の二代目・蘭光太郎として抜てきされ、注目を集めた。

　深作欣二監督の映画「風来坊探偵　赤い谷の惨劇」に主演した際には、吹き替えなしでスタントをこなし脚光を浴びる。代表作は６８年の主演ドラマ「キイハンター」。アクション俳優としての地位を確立し、９１年には映画「エイセス」でハリウッドデビューを果たした。海外では「サニー」の愛称で知られる。

　６９年には俳優養成所ＪＡＣを結成。世界で通用する後進の育成にも力を注いだ。私生活では「キイハンター」で共演した女優の野際陽子さんと７３年に結婚。長女の女優・真瀬樹里（４６）を授かったが、９４年に離婚した。９６年に一般女性と再婚し、誕生した長男の新田真剣佑と二男の眞栄田郷敦は父の後を追って俳優として活躍している。