春風亭小朝 仁鶴さん偲ぶ「フルスペックの噺家」枝雀さんへのライバル意識も

 落語家・春風亭小朝が21日、ブログを更新。17日に84歳で死去した落語家・笑福亭仁鶴(本名岡本武士=おかもと・たけし)さんを悼んだ。

 小朝は「笑福亭仁鶴師匠がお亡くなりになりました。師匠には六人の会が主催した東西落語研鑽会や大銀座落語祭、そして番組でもお世話になりました」と感謝し、「常に仁鶴スマイルで接してくださいましたから僕自身は怖いというイメージはありませんでしたが、上方の噺家の皆さんにとってはかなり緊張を強いられる存在だったようですね」とつづった。

 「強く印象に残っているのは師匠のお宅へお邪魔した時の楽しいひと時と、大阪にあったトップホットシアターという劇場の舞台袖から厳しい表情で高座を御覧になっていた師匠の姿です」と回想。

 「その時、高座に上がっていたのはブレークしはじめていた枝雀師匠でした。それまで上方には古典落語をやって仁鶴師匠以上にウケさせる方はいなかったので、客席を爆笑させている枝雀師匠の存在が気になっていたのでしょう。自分の出番があるわけでもないのに、わざわざお越しになって枝雀師匠の高座が終わるとスッとお帰りになりました」と忘れられない姿を振り返った。

 小朝は余談として、桂枝雀さんが東京・鈴本演芸場に10日間出演した際、古今亭志ん朝さんら東京の落語家がこぞって「面白い」と評価したという。立川談志さんはそれが気に入らず、あんなもんどこが面白いんだと言いながらも客席からこっそり見ていたと明かした。

 そして、仁鶴さんについて「個性的な顔と声を天から授かりました。そこへ人気と顔芸と間の良さが加わるわけですからまさにフルスペックの噺家」と絶賛。「東京では前座ばなしと言われる初天神、牛褒め、延陽伯をトリで口演して爆笑させてしまうのが師匠の凄いところです。瞬時に客席の空気をつかんで合気道のようにあちらこちらへ投げとばせる達人でした」と上方落語の重鎮の芸を敬いつつ、「あの素晴らしい笑顔をもう一度…」と故人をしのんだ。

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