A.B.C-Z戸塚 TOKIO松岡は「ちゃんと見ていてくれる人」濃密な初共演

 演技への熱い思いを語った戸塚祥太(撮影・堀内翔)
 「密告はうたう」のキービジュアル
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 A.B.C-Zの戸塚祥太(34)が新境地に胸を躍らせている。22日にスタートするTOKIO・松岡昌宏(44)主演のWOWOW「連続ドラマW 密告はうたう 警視庁監察ファイル」(日曜、後10・00)で殉職した刑事役を熱演。重厚なハードボイルドサスペンスで、謎の鍵を握る役どころを担った。事務所の先輩である松岡との初共演では多くの学びも。貴重な時を過ごし、見えてきた将来像も語った。

 「初めて」というハードボイルド作品。振り切った描写もあり、戸塚は「すごくいい意味での緊張感とずっと一緒にいました」と振り返る。ただ、その世界観は楽しんだ。殉職シーンでは、血を噴き出しながら息絶えるが「お気に入りです。あのシーンは『レザボア・ドッグス』(タランティーノ作品の犯罪映画)っぽいなと思って。血の機械も自分でコポコポやって。うれしかった」と笑った。

 警察の内部を調査する監察係を描いた物語。松岡演じる主人公・佐良の目の前で何者かに殺され、もう一つの未解決事件も絡んだ謎の鍵を握る役どころだ。「とにかくずっと冷静に、セリフのトーンも上ずらずに」と注意して、優秀な刑事・斎藤を演じ切った。

 松岡とはドラマや映画では初共演。「ちゃんと見ていてくれる人」と表現する。音楽番組で共演し、先にアクロバティックなパフォーマンスを終えた際、舞台袖でサムアップポーズを送ってくれて感激した思い出があるという。今回の撮影中も、伝えてもいなかった誕生日に呼ばれ、お小遣いの入ったポチ袋をプレゼントされた。

 尊敬の念は、共演を通じてさらに強まった。本番前までの振る舞いは、視聴者もテレビで知る松岡の姿そのまま。そのうえで、共演者やスタッフへの目配り気配りも欠かさない。台本の確認もせず、カメラが回ると一瞬で役に入る。戸塚は「これがいわゆるスターという存在なのかと。芝居がうまいとかはもちろんなんですけど、人間としてのことが、すごい勉強になりましたね。人間としてのすてきさがハンパじゃない」と説明した。

 大先輩との濃密な時間で芽生えたのは「僕もそういう風にならなきゃいけない」という思い。「もちろん、松岡さんみたいには僕はできない」と認めつつ「現場でのたたずまいというか、存在の仕方。どこに向かえばいいかということが、自分の中でちょっと明確になった気はします」とうなずいた。

 もともとマフィア映画やハードボイルド好きで「犯人役もやってみたい」と目を輝かせた。新たなジャンルでの充実感と偉大な先輩の姿から見えてきた進むべき道。戸塚にとってターニングポイントとなる作品になるかもしれない。

 ◇戸塚祥太(とつか・しょうた) 1986年11月13日生まれ。東京都出身。99年にジャニーズ事務所入所。08年にA.B.C-Zの結成メンバーに。14年に「出発」で舞台単独初主演。15年に「恋する ヴァンパイア」で映画初出演。18年にドラマ「トーキョーエイリアンブラザーズ」で伊野尾慧とのW主演。現在、主演舞台「フォーティンブラス」(29日まで、東京・Bunkamuraシアターコクーン)が上演中。

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