上沼恵美子 仁鶴さん「お笑いの神様」 笑百科、不仲降板説一蹴「ホラ吹き限界」
タレント・上沼恵美子が30日、ABCラジオ「上沼恵美子のこころ晴天」に出演。NHK「バラエティー生活笑百科」で長年共演し、17日に84歳で死去した落語家・笑福亭仁鶴(本名岡本武士=おかもと・たけし)さんについてコメントした。
上沼は、仁鶴さんの全盛時代について「すさまじかった。えげつなかったわ。ファンの数というか、熱狂ぶりが」とした上で、「10代のとき、動く生の仁鶴さんを初めて見たとき震えた。あのオーラ」と打ち明けた。
人気に火が付いたABCラジオ「ヤングリクエスト」のコーナー「仁鶴・頭のマッサージ」を聞いていた上沼は「気がついたら大スターでしたから。格違いよ。アイドル級よ。ギャーやから。仁鶴さんがそこ行く言うたら、どないしたんいうくらいの人が集まってきて。ヘリコプターで現れましたけど」と多忙ぶりを説明した。
「歌を出してもヒットする。CMは流行語を作る。人気者という意味では誰も寄せ付けない」といい、仁鶴さんのヒット曲「おばちゃんのブルース」を1フレーズ披露した。
上沼は結婚後にサンテレビ(兵庫県)の新春特別番組での共演を回想。「ファンだったダウンタウンを見たいのと、仁鶴さんと司会なんて光栄だな」と12月の収録へ向かったという。当時の仁鶴さんは「テレビの司会はしんどそうだった」と明かした。
「仁鶴さんと上沼のセリフが台本に書いてある。覚えていってるし、言おうとすると『もうそんなんせんでええ』っておっしゃる。『でも台本が』っていうと『せんでええ。次どうぞでいい』って。(そのうち)3時間半ぐらいの番組が時間足らんようなって」といい、ディレクターから注意されたとした。それでも、仁鶴さんからは「ほっといたらええ」と言われたといい、板挟みになった上沼は「1人で司会したのを覚えてます」と苦笑した。
「次の再会がNHKの『-生活笑百科』になるんです。そこから18年ぐらいご一緒させていただいて。とにかくおしゃべりにならない方でニヒルです」といい、「『落語界の高倉健さん』は仁鶴さんです」と例えた。相談員として出演し、相談室長の仁鶴さんとのやりとりで「-笑百科」を盛り上げた上沼は「読書家で勉強家で無駄口はたたかない。ゴルフは一生懸命なさる。乗る車はロールスロイス。お車が好きだったみたい。愛妻家だし、すごい勉強家のインテリです。ステキだなあって思いました」と振り返った。
さらに、上沼は2013年の「-笑百科」降板について、週刊誌の取材で「途中でやめたのは仁鶴さんともめたんですか」と聞かれたと告白。「ビックリした。仁鶴さんともめる力がほしいわ」と笑いつつ、「『笑百科』でホラ吹いて、『実家が淡路島』とか『別荘が大阪城』とか言うて親しまれた。やめるのに1年ぐらいNHKに打診した。(理由は)『こないだ火星に土地買って、家建てて時々行ってるんやけど』とホラ吹いたけど、それはあかんなと。『ホラ吹き限界』です」と明かし、「(仁鶴さんと)仲が悪いなんてとんでもない。格が違う。雲の上の人」とした。
「なんば花月出たら天井ひっくり返るぐらいのお客さん入って、どよめきも一番大きかったって。仁鶴さんのめくりになったらワ~ッて言うとか。芸能人みょう利に尽きません?」と羨望のまなざしを向け、「(仁鶴さんは)何か面白い間を持ってましたね。天性の。『神様』かもわかれへんね、お笑いの。細胞の一つ一つが」と絶賛していた。