村上春樹さん「自由なアイデアの場に」 国際文学館10月1日開館
作家の村上春樹さん(72)が寄贈した原稿などを所蔵する国際文学館(村上春樹ライブラリー)が10月1日、母校の早稲田大(東京都新宿区)に開館するのを前に、村上さんが22日、同大で記者会見し「学生が自由にアイデアを出し合って、それを具体的に立ち上げていける場所になれば」と語った。
村上さんは校舎を改装した建物について、自身が在学中は学生運動が盛んで学生が占拠していたとの逸話を紹介。「一方通行的」な学問の在り方を変革する理想があったと語り、文学館が「自由で独特でフレッシュなスポット」となることに期待感を示した。
また「物語を拓(ひら)こう、心を語ろう」という文学館の標語に関し「今の若者は未来に対してポジティブな物語をつくれているだろうか。いつの世でも理想はあるべきだ。良質な物語、サンプルを示すのが小説家の役割だと思う」などと話した。
文学館は村上さんが寄贈、寄託した約1万点の資料を所蔵。大学関係者以外も利用できるが、当面は新型コロナウイルス対策で事前予約制とするという。