漫画家さいとう・たかをさん死去「ゴルゴ13」は終わらない! 連載継続
巨星墜つ!世界を股に掛ける謎の暗殺者を描いた代表作「ゴルゴ13」や、「無用ノ介」、「影狩り」などのヒット作で知られる漫画家さいとう・たかを(本名斉藤隆夫=さいとう・たかお)さんが24日午前10時42分、すい臓がんのため死去した。84歳。和歌山県出身。葬儀・告別式は親族で行った。お別れの会は、今後の状況などを慎重に見極めつつ、開催を検討する。漫画誌ビッグコミック(小学館)の「ゴルゴ13」の連載は継続する。
「ゴルゴ13」は68年に連載開始。「強烈にパンチのある作品」という要望を受け、超A級の射撃の腕を持つ主人公デューク東郷のアクションにリアルな国際情勢を絡めたハードな作風で、大人が読むに堪える「劇画」の隆盛を決定づけた。
ゴルゴの外見は俳優の高倉健さんからイメージを膨らませ、東郷の姓は悪童だったさいとうさんを唯一理解してくれた中学時代の恩師から。「法律も善悪も気にせず孤高を貫くゴルゴは、僕の理想の投影」と説明した。
当初10話しか思いつかなかったという連載は、20年5月に新型コロナウイルス感染拡大を受けて、スタッフの健康を守るため休載するまで半世紀以上続いた(同年7月再開)。健さんや千葉真一さんの主演で実写映画化され、アニメ映画やテレビアニメにもなった。今年7月には単行本201巻が発売され、「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定された。今月に202巻が発売された。
ビッグコミック編集部によれば、さいとうさんは「自分抜きでも『ゴルゴ13』は続いていってほしい」と希望し、制作集団としてのさいとう・プロダクションを再構築。今後は同プロが作画し、脚本スタッフと編集部が協力して連載を継続する。関係者によれば、10月10日発売の次号は追悼号として、過去の名作と編集部による追悼記事を掲載。同25日発売の次々号には新作が掲載される。