日本文学振興会は１１日、優れた文化活動に贈る第６９回菊池寛賞に俳優の仲代達矢（８９）、作家の小川洋子さん（５９）らのほか、高知県の地元紙、高知新聞社の「追跡・白いダイヤ取材班」などを選んだと発表した。賞金は各１００万円。贈呈式は関係者のみで行われる。

　受賞者と主な授賞理由は次の通り。（敬称略）

　▽仲代達矢＝日本を代表する俳優で８９歳となる今年、「役者７０周年」全国公演を開始。私塾「無名塾」で後進の育成にも尽力。

　▽小川洋子＝３０年を超えて美しさに満ちた独自の作品世界を構築し、海外でも高く評価されている。

　▽高知新聞社「追跡・白いダイヤ取材班」＝ウナギを巡る密漁や闇取引の実態を５年にわたり１０都県、１００人以上の関係者に取材、特集「追跡・白いダイヤ」に結実させた。

　▽松岡和子＝日本で３人目となるシェークスピアの戯曲全３７作の個人全訳を完結させた。

　▽吉岡秀人＝ミャンマー、カンボジア、ラオスなど医療の行き届いていないアジアの貧困地域で２５年以上にわたり無償の医療支援。