米宇宙企業ブルーオリジンは１３日午前、米テキサス州の施設から独自開発の宇宙船「ニューシェパード」を打ち上げた。人気ＳＦシリーズ「スター・トレック」でカーク船長を演じた俳優ウィリアム・シャトナー（９０）ら４人が乗るカプセルは高度１００キロ超の宇宙空間に到達し、パラシュートで地上に無事帰還。８２歳だった宇宙飛行の最高齢記録を塗り替えた。

　シャトナーは着陸後「感動的だった」と感極まった表情で、出迎えたブルーオリジン創設者で米アマゾン・コム創業者のジェフ・ベゾス氏と抱き合った。黒い宇宙と青い地球を目の当たりにし「世界中の誰もが見るべきだ。この気持ちを忘れたくない」と語った。

　ブルーオリジンの飛行は２回目。７月、ベゾス氏ら４人を乗せた初の宇宙飛行に成功していた。

　宇宙船は当初の予定から１時間程度遅れて打ち上げ。数分で宇宙空間に到達し、切り離されたカプセルは打ち上げの約１０分後、パラシュートでゆっくりと着地した。

　他の乗客は宇宙関連企業や、医療関連企業の創業者ら。料金は非公表だが、ＡＰ通信によると、シャトナーはスター・トレックの熱烈なファンであるベゾス氏が無料で招待した。宇宙船は完全自動操縦で、ロケットや最大６人乗りのカプセルは繰り返し利用できる。