AIで「無修正AV」 動画モザイク加工の男逮捕 「夢の機械」「怖い」ネット騒然
京都府警は18日、人工知能(AI)を使用してアダルトビデオ(AV)のモザイク部分を加工し、無修正のような動画を作ったとして、著作権法違反とわいせつ電磁的記録陳列の疑いで、兵庫県高砂市の自営業の男(43)を逮捕した。
府警によると、男は不鮮明な画像を補完して解像度を上げるAI技術「TecoGAN(テコガン)」を活用した動画編集ソフトを使用。モザイクを認識したAIが見えない部分を自動的に補い、無修正に見える精巧な動画を作り出していた。
男は自分のサイトで「モザイクをなくし、クリアな動画を楽しみましょう」と宣伝。注文を募り、市販のAVを加工した動画を販売していた。昨年12月から今年8月ごろ、延べ約1万2千点の動画ファイルを販売し、計約1100万円を売り上げたという。
「ディープフェイク」と呼ばれるAI技術を使って女性芸能人の顔をAVに合成した容疑での摘発事例はあるが、府警によると、TecoGANでモザイクを加工した疑いでの逮捕は全国初とみられる。
逮捕容疑は今年1月9日、AVのモザイク部分を編集した動画を作って制作会社の著作権を侵害した上、自身のサイトに見本となる「サムネイル画像」10枚を公開した疑い。
事件が伝わると、ネット上では「モザイク除去」など関連ワードがトレンド入りするなど騒然となった。
「その昔モザイク除去機という商品が売っていたが」「かつては夢の機械だと」「まさか実在するとは!」との反応や、「凄い時代になった」「怖い」と驚きや不安がる声も。「正確にいうと除去ではない」「本来の映像を予想するみたいな感じなのか」「AIによる加工なら詐欺」と技術自体に関心を示す投稿もみられる。