ホリプロ創業者・堀威夫氏に文化功労者 エンタメは「生存必需品」

 政府は26日、2021年度の文化勲章を歌舞伎の尾上菊五郎(79)、ノーベル物理学賞に決まった気象学・気候学の真鍋淑郎(90)ら9氏に贈ることを決めた。文化功労者には俳優・歌手の加山雄三(84)、演劇・文学の唐十郎(81)、文化振興・芸能プロモーションの堀威夫(89)、作詞の山上路夫(85)、漫画の大島弓子(74)、アニメーションの富野由悠季(79)ら21氏を選んだ。文化勲章の親授式は11月3日に皇居で、文化功労者の顕彰式は同4日に都内のホテルで開かれる。

 堀氏は「長くやっていると、こういういいこともあるのかなと。70年この業界にいるわけですから」と、穏やかにほほ笑んだ。

 明大卒業後にバンド「堀威夫とスウィング・ウエスト」を結成。1960年に「堀プロダクション」を設立し、和田アキ子、山口百恵ら多くのスターを見いだし育てた。ミュージカル「ピーターパン」など演劇の企画、共同制作を手がけ、業界団体役員としての活動を通じても文化芸術の発展に寄与した。

 89年には東京の芸能プロとして初めて株式を公開した。長男の小学校入学時の面接で職業を伝えた際の微妙な空気を感じとり、「社会に事業として認知してもらわないといけない」と思ったのがきっかけ。酒席で腹案をもらしたことから事態が動いて実現したといい、「有言実行論者になった」と明かす。

 コロナ禍でエンターテインメント界も大きな影響を受けたが、エンタメは「“生存必需品”だと思う」と表現。「車のハンドルでも遊びの部分はある。これと似ている。“安全運転”のために絶対必要なもの」と訴えた。

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