核兵器廃絶と被爆者援護の活動に尽力した日本原水爆被害者団体協議会（被団協）代表委員の坪井直（つぼい・すなお）さんが２４日午前１０時３５分、貧血による不整脈のため広島市内の病院で死去したことが２７日、分かった。９６歳。広島県出身。

　広島工業専門学校（現広島大工学部）３年だった４５年８月６日、爆心地から約１・２キロで被爆。戦後は中学教師として教壇に立ち、被爆体験を語った。「ピカドン先生」として親しまれ子どもたちに核兵器の恐ろしさと平和の大切さを教えた。

　退職後は被団協のメンバーとして米国やインドといった核保有国など世界各地で体験を証言。１６年に原爆を投下した米国の現職大統領として初めて広島を訪問したオバマ氏と握手、核廃絶に向け「共に頑張ろう」と話し掛けた。