藤井聡太三冠 竜王&最年少四冠王手!“ラスボス”豊島竜王撃破で負けなし3連勝
将棋の藤井聡太三冠(19=王位・叡王・棋聖)が豊島将之竜王(31)に挑戦する第34期竜王戦七番勝負第3局2日目が31日、福島県いわき市「雨情の宿 新つた」で指され、藤井三冠が先手93手で勝利した。本シリーズ負けなしの3連勝で、将棋界最高位の竜王奪取と史上最年少四冠へ王手をかけた。第4局は11月12、13日に山口県宇部市「ANAクラウンプラザホテル宇部」で行われる。
かつての“ラスボス”が小さく見える。深緑の和服姿でがっくり肩を落とす豊島竜王の投了を聞き、若緑の和服に身を包んだ藤井三冠はいつも通り冷静な表情で頭を下げた。今期3シリーズ目となる豊島竜王との顔合わせ。前局、通算成績で勝ち越しに成功した勢いそのまま、シリーズ3連勝を決めた。
両者の対局では7局ぶりの角換わりとなった本局。1日目午前から駒がぶつかる激しい将棋で、2日目午後までほぼ互角のまま進行。最後の寄せ合いで一歩リードし、そのまま振り切った。藤井三冠は「積極的に動いてこられて、どう対応すればいいか分からなかったです」と険しい表情で振り返った。
現在、最年少四冠記録は羽生善治九段(51)の持つ「22歳9カ月」。現在19歳の藤井三冠が四冠を達成すると大幅更新となる。四冠同時保持者は史上5人しかおらず、現役であれば谷川浩司九段(59)、羽生九段に並ぶ。優勝賞金最高額・4400万円の竜王獲得で、全棋士序列でも渡辺明名人(37=棋王・王将との三冠)、豊島竜王を抜いて1位となり、名実ともに将棋界最強となる。
次局への意気込みを問われても「本局は分からないところが多くて…第4局までに少しでも修正していい状態で臨めればと思います」といつも通り謙虚に答えた。前人未到の偉業達成へあと一歩-しかし絶対的な強さを追い求める天才には、長く続く成長への一歩だ。