長嶋茂雄氏 皇居で文化勲章親授式「より一層野球界のために」「もっと一生懸命」
文化勲章の親授式が3日、皇居・宮殿であり、プロ野球・巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(85)、歌舞伎俳優・尾上菊五郎(79)ら6人に天皇陛下から勲章が手渡された。
長嶋氏は黒縁眼鏡にモーニング姿で車いすに座って出席。陛下から「おめでとうございます」と声を掛けられ、車いすに座ったまま勲章を受け取り深々と頭を下げた。
陛下は「今後ともそれぞれの分野の発展のために力を尽くされるよう願っています」とねぎらわれた。
長嶋氏の次女でスポーツキャスターの長島三奈(53)によると、長嶋氏は陛下から「野球を長い間やってこられたので、良かったと思います。実際に私も野球の経験があるのでうれしいです」と言葉を贈られ、「より一層野球界のために、そしてファンあってのプロ野球なので、もっと一生懸命頑張っていきたい」と意気込んでいるという。
◆ミスターと皇室の縁 文化勲章を受章した長嶋茂雄氏は、「ミスター」の愛称で親しまれ、天覧試合での活躍や園遊会の懇談などを通じて、昭和から皇室との縁が続いている。
1959年6月25日、後楽園球場での巨人と阪神の一戦は昭和天皇、香淳皇后を迎えたプロ野球初の天覧試合だった。4-4の九回に長嶋氏が、この試合2本目の本塁打を放ち、サヨナラ勝ちとなり、球史に刻まれる名場面となった。
2013年10月には、秋の園遊会に出席。04年に脳梗塞で倒れた長嶋氏に在位中の上皇さまが「お体の方はいかがですか」と気遣われると、長嶋氏は「だいたい60パーセントになっています」と笑顔を見せた。
今年7月の東京五輪では、開会式の聖火リレーに参加。大会名誉総裁を務めた天皇陛下もこの場面を見守った。