無免許当て逃げの木下都議「続けてほしいという声がある」派手な装いで4カ月ぶり登庁
7月の東京都議選期間中に無免許運転で当て逃げ事故を起こし、公表せずに再選された木下富美子都議(55)が9日、東京都議会に再選後初めて登庁し、都議選投開票日の7月4日以来、128日ぶりに公の場に姿を見せた。都議会で2回辞職勧告が決議され、この日は正副議長から辞職を求められたが、辞職しない考えを表明した。出席が予定されていた委員会は、一部議員が木下都議に反発したことで開催が不可能な状況となるなど大混乱となった。
事故発覚後、都議会からの2度の辞職勧告決議、正副議長による説明要請にも応じず、体調不良を理由に議会の欠席を続けていた木下都議がやっと姿を現した。赤いワンピースに紺のジャケット、左手人さし指、中指に大きな指輪をはめた派手な装いで登庁。約100人の報道陣へのぶら下がり会見に応じた。
終始声を詰まらせながら沈んだ表情で、辞職勧告決議について「議会の意思、有権者の意思ということ。重く受け止めております」としながら、「厳しい批判の一方で、ぜひ続けてほしいという声があることも事実。失われた信頼を回復することは難しい道だが、一つ一つこれからの議員活動の中で応えていきたい」と改めて辞職しない意向を示した。
現在の状況について、自身のホームページに公開した文書とほぼ同内容の説明をした。今後免許の再取得はせず、事故時の車もすでに処分済み。事故の被害者とは10月の半ばに示談が成立しているとも明かした。批判が相次いでいた、3カ月の議員報酬計192万円弱はすでにNPO法人等の団体に寄付。計150万円の政務活動費は会派に請求しない意向だと話した。
3カ月間、登庁しなかった理由を「事故以前から心身の不調があって、事故を受けてさらに厳しくなった。食べ物も口を通らず、自分としても尋常でない状態が続き、医療機関を受診した」と説明。無免許運転の理由については「現時点ではお話しできない」と説明を避けた。
木下都議は7月の都議選で「都民ファーストの会」の公認を受け再選。しかし当選翌日に、選挙期間中の事故が発覚し、同会から除名された。事故を巡っては、警視庁が9月に自動車運転処罰法違反(無免許過失傷害)と道交法違反の疑いで書類送検した。