尾上菊之助 父・菊五郎も務めた老妻役に挑戦「父の背中を見ながら成長していきたい」

 取材会を行った尾上菊之助
 取材会を行った尾上菊之助
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 歌舞伎俳優・尾上菊之助(44)が15日、都内で東京・歌舞伎座「十二月大歌舞伎」(12月1~26日)第二部「ぢいさんばあさん」の取材会を行った。

 森鴎外の短編小説を原作に夫婦愛を描いた名作。菊之助は、離ればなれになった夫・美濃部伊織(中村勘九郎)を待ち続け、37年ぶりに再会する妻・るんを初役で務める。

 老夫婦の絆やその家族らの温かみのある世界観に「日本人として残していくべき心ではないのかなと思った」と感銘を受けての出演。以前は理解できなかった作品の魅力を感じるようになった理由を「やっぱり年齢を経たからでしょうかね。(自身の)結婚という部分も大きかった」と説明した。老妻役への挑戦に「白(髪)のかつらをかぶったことがない」と苦笑しつつ「歩き方とかも全然違うでしょうから。研究したいと思います」と抱負を述べた。

 同演目では、1999年と2005年に父・尾上菊五郎がるんを演じ、自身も若夫婦の役で出演した。菊五郎は10月に文化勲章を受章。菊之助は「普段は照れ屋であまり表に出さないんですけど、非常に喜んで『ありがとう』って笑顔で言ってくれた」と祝福した際の様子を明かし「まだまだ元気に舞台に立っていただけると思うので、父の背中を見ながら私も成長していきたいなと思っています」と、さらなる精進を誓った。

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