草笛光子 市川崑監督の“変な出演交渉”暴露「犬神家-」上映イベント

 スケキヨのお面をかぶった客席をバックに驚きの表情の草笛光子=東京・テアトル新宿
 市川崑監督との思い出を語った草笛光子=東京・テアトル新宿
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 女優の草笛光子(88)が20日、都内で行われた、1976年公開の映画「犬神家の一族」の4Kデジタル修復版上映記念イベントに登場した。

 この日は、同作のメガホンを握り、08年に92歳で亡くなった市川崑監督の106回目の誕生日。60年公開の「ぼんち」を皮切りに「犬神家-」など市川作品9作に出演した草笛は、先生と呼ぶ監督との出会いについて、東京・砧にある東宝スタジオの食堂にいたところに現れ「ぼんち」の台本を渡されたのが最初だと明かした。「ぼんち」は大映作品で、映画会社の枠を越えて口説きに来たことになる。

 「犬神家-」以降、金田一シリーズの常連となった草笛だが、その後も「出演交渉が変わった方だった」と説明。「女王蜂」(78年)の際には、芸術座の舞台稽古中、裏でセリフを覚えているところに市川監督が一人でふらりと現れ「また金田一やるから出るね?」と言われたこともあった。役柄を尋ねると「ちんどんや」。「お相手は?」には「三木のり平」と返ってきた。「それだけ。『出てよ』じゃない。『出るね』ってこれだけ。それでいつも出ていたんですよ」とコミカルに情景描写し、笑わせた。

 作品が進むごとに「汚くなる役」が多くなり、市川監督にクレームを入れたこともあるという。すると「汚くなるっていうのはきれいな役者が言うことだよ」とぴしゃり返され「何も言えませんよね」と苦笑い。時に厳しく接せられる一方、自身の提案を柔軟に受け入れてくれたことへの感謝の言葉が続いた。

 「獄門島」の際には、小学5年生の時に疎開先で行った芝居小屋で役者が金歯をつけていたという自身の経験から、金歯をつけたいと提案。「先生に『金歯、入れていい?』って聞いたら『いいよ』って。それから何も言ってこなかったのに、金歯が光るように見込んで、カメラを仕込んでるんですよね。先生とお仕事させていただいてから、演じることを考えるようになって、提案するとちゃんと使ってくださる。心の中で頭を下げるくらいうれしかったです」と目尻を下げた。

 “女阪妻”と阪東妻三郎さんに例えられたことがあると笑い「(阪東さんの息子の)田村三兄弟に『似てるって言われたんだけど、どこがですか?』って聞きに行ったの。長男の高廣さんには『どこかなぁ』と言われ、三男の正和さんには『まだハイハイしてるころだったから分からないよ』って言われて、失敗に終わりました。似てます?」と司会者に逆質問していた。

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