生田斗真「自分を見つめ直すこともそう悪くない」主演映画「渇水」で“停水執行人”
俳優の生田斗真(37)が映画「渇水」(来年公開)に主演することが23日、分かった。原作は1990年文学界新人賞を受賞し、芥川賞候補にもなった作家・河林満氏の同名小説。「凶悪」「孤狼の血」などの映画監督・白石和彌氏が初プロデュースを手掛ける。
生田が演じるのは、水道料金を滞納する家庭の水を止める業務=停水執行に就く、市の水道局職員・岩切俊作役。心の渇きにもがく中で、育児放棄を受ける幼い姉妹との出会いから、ささやかな幸せを求めて本当の自分を取り戻していく。
白石氏は「主人公・岩切の抱える悲しみと苦悩を多く語らずとも表現してくれる俳優は生田さんだけではないか」とオファー理由を説明し、「新しい側面をお見せできると思います」と自信。メガホンを取るのは岩井俊二監督「ラストレター」で助監督を務めた高橋正弥氏で、10年前から温めていた企画だ。
撮影は既に終了。生田は「主人公に少しの希望とかすかな光を与えることができたらという思いで精いっぱい演じました。多くのことがシステム化され、疑問を持たずに波風を立てずに日々を過ごすことが上手な生き方なのかもしれません。ただ、なにかが違う。このままでいいのかとふと立ち止まり、自分を見つめ直すこともそう悪くない。そう思わせてくれる作品です」と手応えを明かした。