藤井聡太竜王 最年少五冠は「意識することは全くない」王将戦へ「盛り上げられたら」
将棋の藤井聡太竜王(19=王位、叡王、棋聖との四冠)が最終戦で永瀬拓矢王座(29)に101手で敗れ、5勝1敗でリーグ戦を終えた。来年1月9日に開幕する王将戦七番勝負(静岡県掛川市)で渡辺明王将(37=名人、棋王との三冠)に挑む。
前局までに渡辺王将への挑戦権を獲得して臨んだ最終局。過去の対戦成績で7勝1敗と得意としている永瀬王座相手に、相掛かりの将棋で果敢に攻めるも、苦戦を強いられ押し切られた。藤井竜王は「こちらの陣形の薄さが出てしまったのかなと。反省点の多い内容だったかなと思います」と悔やんだ。
21日に行われた将棋日本シリーズ、第42回JTプロ公式戦で豊島将之JT杯覇者(31)に敗れており、昨年10月以来、13カ月ぶりの連敗となった。
それでも同リーグを5勝1敗の好成績で終えたことには「本局で敗れたのは残念ですが、自分の実力以上の結果を出せたかなと思ってます」と喜んだ。
王将戦七番勝負を制すれば、羽生善治九段(51)が93年に達成した22歳10カ月の最年少五冠を塗り替える。しかし「現地点で意識することは全くないと思っているので」とキッパリ。強豪ひしめく同リーグでつかみとった“切符”を手に「歴史のあるタイトル。いい内容の将棋で、勝負を盛り上げられたら」と静かに闘志を燃やした。