尾上菊五郎 吉右衛門さん死去には「ちょっと…」深い悲しみにじませる

会見する尾上菊五郎=東京・ホテル グランドアーク半蔵門(撮影・棚橋慶太)
「南総里見八犬伝」取材会に出席した(左から)尾上菊之助、中村時蔵、尾上菊五郎、尾上松緑=東京・ホテル グランドアーク半蔵門(撮影・棚橋慶太)
笑顔で会見する尾上菊五郎=東京・ホテル グランドアーク半蔵門(撮影・棚橋慶太)
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 歌舞伎俳優・尾上菊五郎(79)が9日、都内で、国立劇場初春歌舞伎公演「南総里見八犬伝」(来年1月3~27日)の制作発表に、長男の尾上菊之助(44)らと出席した。

 新年の幕開けを飾る興行で、7年ぶりに八犬士のひとり、犬山道節を演じるが、「正月の国立の舞台を面白く作り上げて、お客さまが『また歌舞伎を見たい』という気になる作品になるのが、1番いい」と新年の抱負。菊之助も「コロナ禍の中で『八犬伝』をやる意義がある。『仁義八行』で悪を滅していくので、『鬼滅の刃』にも似ていて、コロナ滅殺の思いを込めて務めさせていただきます」と意気込んだ。

 国立劇場での初春公演では、時事ネタが盛り込まれることが恒例。菊五郎は会見中に、菊之助や中村時蔵(66)から「我らのビッグボス」と日本ハム・新庄剛志監督が生んだ“流行語”で呼ばれたこともあって、「犬山道節はちょっとビッグボス的な面がありますが、芝居に横文字は入れにくい」と頭を悩ませた。

 また、11月28日に心不全により77歳で死去した中村吉右衛門さんの存在について聞かれると、「それはこの場ではちょっと…お許しください」と深い悲しみは胸の奥にしまい込んでいた。

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